国民民主党×参政党の共通政策テーマと注目関連銘柄

国民民主党×参政党の共通政策テーマと注目関連銘柄

2025年参議院選挙では、国民民主党と参政党が大躍進しました。この国民民主党と参政党は、一見スタンスの異なる政党ですが、実は共通する政策テーマが存在します。特に育改革エネルギー政策地方創生健康・食の安全保障といった主要分野で、両党の主張には重なるポイントが多く見られます。

両党が連携してこれらの政策を推進すれば、日本経済や関連企業に恩恵が及ぶ可能性があります。本記事では、両党の政策共通項を洗い出し、それに基づいて注目される日本株銘柄を個人投資家向けに紹介します。

教育改革:教育国債で人づくり強化

両党の政策共通点

国民民主党も参政党も、「人づくりこそ国づくり」と位置づけ、大胆な教育投資を訴えています。

具体的には「教育国債」の発行によって教育・子育て予算を大幅に増額し、幼児教育から高等教育まで支援を拡充する点が共通しています。例えば国民民主党は年5兆円規模の教育国債で教育予算倍増、高校までの教育無償化などを掲げ、参政党も教育国債を財源に0~15歳への月10万円給付や奨学金返済免除など大胆な支援策を提案しています。

また両党とも幼児教育の拡充や少人数学級の推進など、次世代への投資を重視しています。

JPホールディングス(2749)国内最大手の保育施設運営会社

JPホールディングスは「アスク」「GENKIDS」等のブランドで全国に保育園や学童クラブを展開する企業です。英語教育にも特化したバイリンガル保育園を開設するなど教育ニーズに対応したサービス拡充を進めています。両党の政策で幼児教育・保育への公的支援が拡大すれば、同社のような保育事業者には追い風となるでしょう。

実際、政府の子ども家庭政策強化の流れの中で、JPホールディングスの株価は上昇基調にあります。今後も保育の質向上ニーズや幼児教育無償化の恩恵を享受し、安定成長が期待できます。

サイバーエージェント(4751)プログラミング教育で実績

インターネット広告やメディア事業で知られるサイバーエージェントは、小学生向けプログラミング教育事業「CA Tech Kids」を展開し、全国で「QUREOプログラミング教室」を提供しています。2020年に小学校でプログラミング教育必修化が始まったのを追い風に、すでに国内外合わせ2000教室以上を展開。

国民民主党・参政党ともにICT教育やデジタル人材育成を重視しており(参政党はAI教育の積極導入を政策に明記)、今後学校教育へのIT導入が進めば同社の教育事業が恩恵を受ける可能性があります。

本業の好調に加え教育分野での社会貢献が評価され、長期的な成長シナリオが描けるでしょう。

エネルギー政策:エネルギー安全保障と次世代技術

両党の政策共通点

エネルギー分野では、国民民主党・参政党ともにエネルギー安全保障の強化電気料金の負担軽減を掲げています。具体的には、再生可能エネルギー賦課金(FIT)制度の見直しや撤廃による電気料金引き下げを主張し、エネルギー自給率向上のため原子力発電の活用水素・アンモニアなど新エネルギー技術の開発を推進する点で一致します。

国民民主党は安全基準を満たした原発の稼働・リプレースを進めると明言し、参政党も「脱・脱炭素政策」を掲げ高コストの再エネを縮小する一方、小型原発や核融合の研究開発、水素・バイオマス発電の実用化など多様な電源確保を訴えています。

両党の政策は、安価で安定的かつ自立性の高いエネルギー供給体制づくりという方向性で共通しています。

三菱重工業(7011)原発から水素までエネルギー技術の総合メーカー

三菱重工は原子力発電設備の設計・製造や原発の安全対策技術で国内トップクラスの実績を持ち、現在は小型モジュール炉(SMR)や核融合炉など次世代原子力技術の研究開発にも注力しています。また、水素ガスタービン発電の開発や大規模なCO2回収装置の実証など、脱炭素とエネルギー自立に資する事業も幅広く展開中です。

両党が掲げる原発の最大限活用や水素エネルギー推進は同社の得意分野と合致します。政策後押しで国内の原発新増設や水素インフラ整備が具体化すれば、三菱重工は受注増加と技術力強化による長期的な成長が見込めます。

関西電力(9503)原発比率が高い電力会社

関西電力は大飯、高浜、美浜など複数の原子力発電所を保有し、電源構成に占める原発比率が高い電力会社です。震災以降止まっていた原発の再稼働が進み、同社は電力調達コストの大幅削減に成功しました。

国民民主党・参政党のエネルギー政策は原発再稼働に前向きであり、政府も次世代炉の開発を含め原子力政策を転換しつつあります。その追い風を受け、電力株全般が昨年来上昇基調にあります。実際、原発再稼働機運の高まりから電力・ガス株指数はTOPIXを大きく上回る上昇を見せ、北海道電力の株価が再稼働期待で3ヶ月で2倍近くに跳ね上がるなど、関西電力を含む各社の株価が軒並み大幅上昇しました。

安定供給と収益改善が進む関西電力は、高配当利回りも魅力で、中長期の投資妙味が増していると言えます。

地方創生:地域主導の活性化とデジタル化

両党の政策共通点

地方創生に関しても、国民民主党と参政党は東京一極集中の是正地域の自立的発展を重視する姿勢で一致します。

国民民主党は地方自治体への財源・権限移譲を進め、地方が独自性を発揮できる環境整備を提唱しています。例えば地方創生臨時交付金の増額や一括交付金の復活、国と地方の歳入比率5:5の実現など大胆な分権策を掲げ、地域が競い合って活性化する「底上げ」の仕組みを作ろうとしています。

一方、参政党も「地域コミュニティの力で地域課題を解決する社会」を理想に掲げ、行政頼みの増税ではなく民間や住民の知恵と参加で地方を元気にすることを目指しています。具体策としてブロックチェーン技術を活用した地域トークン(地域通貨)の普及による地域経済活性化や、地方での起業・コミュニティづくりの支援などを打ち出しています。

両党ともアプローチは異なるものの、「地方に人・金・仕事を呼び込み、持続可能な地域社会をつくる」という方向性は共通しています。

パソナグループ(2168)人材派遣大手、淡路島で地方創生モデル事業

パソナグループは人材派遣・BPO大手ですが、「地方創生」をキーワードに全国の自治体や企業と連携した地域経済活性化事業にも積極的です。特に本社機能を兵庫県淡路島に移転し、地方での雇用創出や観光・農業など多角的な地域振興プロジェクトを展開していることは有名です。

国民民主党の地方交付金拡充や参政党の地域コミュニティ支援など、地方に仕事と人を増やす政策が進めば、地方自治体からの委託事業や官民協働プロジェクトで実績豊富なパソナにはビジネス拡大のチャンスです。同社はすでに地方創生関連の取り組みで先行しており、自治体のパートナーとして信頼を得ています。政策追い風で収益基盤の強化と社会的評価の向上が期待できます。

チェンジホールディングス(3962)自治体DXと「ふるさと納税」で地方支援

チェンジHDは自治体向けのDX(デジタル・トランスフォーメーション)支援や人材育成を行う企業で、特に日本最大級のふるさと納税ポータル「ふるさとチョイス」を運営しています。ふるさと納税は都市部から地方への資金循環を促す制度であり、参政党も「公平性を確保しつつ制度趣旨に沿った運用」を求めています。

両党の地方創生策で自治体のデジタル化予算や地域産品PR支援が拡充されれば、チェンジのDXコンサルやふるさと納税プラットフォーム事業が恩恵を受けるでしょう。同社は新技術やデジタル人材を地方に届ける役割も担っており、自治体の課題解決を包括支援できる体制を整えています。地方行政の近代化ニーズが高まる中、チェンジHDは成長性と社会貢献性を兼ね備えた注目株です。

健康・食の安全保障:国産回帰で自給力アップ

両党の政策共通点:

「健康・食の安全保障」に関して、国民民主党と参政党は日本の食料・医薬品の自給力向上を国家安全保障の観点から重視しています。

国民民主党は「食料自給率50%の実現」を掲げ、農家への直接支援策である「食料安全保障基礎支払」の創設や農業者所得向上による生産力強化を提言しています。また、食料・エネルギー・医薬品・半導体など重要物資を過度に海外依存しない総合経済安全保障法制の推進も主張しています。

参政党はさらに踏み込み、10年で自給率倍増・2050年までに食料自給率100%を目指す大計画を示しています。そのために減反政策の転換による米増産、国産種子の利用拡大(種子自給率を2050年までに50%へ)や、化学肥料原料の有機転換(2050年25%国産化目標)など細かな数値目標を設定。さらに休耕地復活や二毛作推進による耕地利用率向上、輸入農産物への関税強化など、多面的な施策で食料安全保障を強化しようとしています。

医薬品についても、国民民主党は国内製造基盤の確保や安定供給体制の構築を政策に盛り込み、参政党もワクチン調達時の製薬企業免責を認めない姿勢や副反応情報開示などを掲げ、国民の命を守る医療供給体制の見直しを唱えています。

要するに「食と薬を他国任せにしない」という点で両党の思想は一致しています。

クボタ(6326)農業機械の国内大手、スマート農業を牽引

クボタはトラクターやコンバインなど農業機械で国内トップクラスのメーカーであり、近年は自動運転農機やICTを活用したスマート農業ソリューションにも力を入れています。

両党の政策で米の増産や休耕田の耕作再開、二期作の推進など農地フル活用が図られれば、省力化・高効率化に不可欠な最新農機への需要が高まるでしょう。また参政党は第一次産業従事者の処遇改善(農家の公務員化や収入安定策)も掲げており、農業従事者数の増加や若返りによって機械投資余力が高まることも期待されます。

クボタの先進的な農業機械・サービスは人手不足解消と収量アップに貢献でき、国産食料増産の流れで業績拡大が見込めます。日本の農業を支えるインフラ企業として、政策恩恵を直接享受するポジションにあります。

サカタのタネ(1377)種苗開発のリーディングカンパニー

サカタのタネは野菜・花卉種子で国内最大手、世界有数のシードメーカーです。

参政党の政策では国産種子の自給率向上が重要目標とされ、国民民主党も超党派で公的品種開発の促進法案提出や在来種保全策を打ち出すなど、種苗分野の強化に力を入れています。海外企業に依存しない高品質な国産種子へのニーズが高まれば、長年品種改良に取り組んできたサカタのタネには追い風です。

同社は気候変動対応や病害抵抗性を備えた新品種開発力で定評があり、国内だけでなくグローバル市場でも競争力を持ちます。政府・自治体が種苗開発支援に乗り出す可能性もあり、研究開発の加速や市場シェア拡大が期待できます。

食料安全保障の土台を支える企業として、中長期的な成長余地に注目です

塩野義製薬(4507)国産ワクチン・治療薬の開発を担う製薬大手

塩野義製薬は感染症領域に強みを持つ製薬大手で、国産初の経口新型コロナ治療薬の開発・実用化を成し遂げたことで脚光を浴びました。現在も自社開発ワクチンの実用化や新型インフルエンザ薬の備蓄供給など、日本の医薬品安定供給に貢献する取組を続けています。

国民民主党が提唱する医薬品・医療機器の国内生産基盤強化や、参政党の掲げるワクチン政策の見直しは、いずれも国内製薬企業の役割拡大を意味します。政府が有事に備えたワクチン開発・生産体制強化戦略を進める中、研究開発力の高い塩野義はその中核を担う存在です。

公的支援による開発加速や国内需要の底上げが期待でき、収益機会が広がるでしょう。また、新興国展開や創薬プラットフォーム強化にも積極的で、「創薬力の塩野義」として長期的な企業価値向上が見込まれます。

おわりに:政策テーマを先取りした投資戦略を

国民民主党と参政党の共通政策テーマである教育、エネルギー、地方創生、食と健康は、日本の未来を左右する重要分野です。両党の連携や政策実現によって具体的な施策が動き出せば、関連する企業の業績にも大きな追い風が吹くでしょう。本記事で紹介した銘柄は、まさにそうした政策恩恵を享受し得る企業たちです。

政策の実行には時間を要する場合もありますが、中長期的な視点でこれらテーマに沿った企業に注目しておくことは、将来の大きなリターンにつながる可能性があります。政治と経済の動きをウォッチしながら、今後も有望なテーマと銘柄を先取りする投資戦略を検討してみてください。

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