【2025年7月テーマ株】猛暑で株価上昇が期待できる日本株5選

【2025年7月テーマ株】猛暑で株価上昇が期待できる日本株5選

今年の夏は例年以上の猛暑が予想されています。猛暑になると飲料や冷房などの「サマーストック」と呼ばれる関連銘柄に注目が集まりがちです。実際、気温が1℃上がるとビール類の売上が約2.5%増加するとのデータもあり、暑さによる需要増は企業業績や株価にプラスに働く傾向があります。

本記事では、猛暑によって恩恵を受けやすい日本株5銘柄をピックアップしてご紹介します。それぞれの銘柄名・業種、猛暑との関連性、過去の猛暑年の実績、そして直近数年の株価をまとめました。

2025年の夏(6〜8月)の見通し

見通しの根拠内容影響のめやす
気象庁 3か月・暖候期予報全国平均で「平年より高い」確率 50%、「低い」確率 10%弱 ─ 大半の地域で暑い夏になる可能性が高い梅雨明け以降の真夏日は多め。都市部では熱帯夜の増加に注意 (気象庁データ, 気象庁データ)
地方別補足(例:九州北部)地方予報でも「高温」優勢。福岡管区気象台は早期の熱中症対策を呼びかけ (気象庁データ)西日本は夜間も蒸し暑く、電力需要・農産物高温障害リスクが上昇
ENSO(エルニーニョ/ラニーニャ)今年はENSOニュートラルが74%優勢(JJA期)で、極端なラニーニャ強化シグナルはなし 太平洋高気圧の張り出しが平年〜やや強め程度に収まり、2023 ・ 2024ほどの「スーパー猛暑」までは行かない見込み
東アジア夏モンスーン中国気象局やJMAの解析では、西太平洋高気圧の北・西偏が予測され、梅雨後半は本州付近に暖湿気が入りやすい関東以西で「梅雨明け 10日」の高温・湿潤パターンが顕著に

アサヒグループホールディングス(飲料)

業種

アサヒグループホールディングス(東証プライム・コード2502)はビールを中心とする総合飲料メーカー。「アサヒスーパードライ」など主力ビールや清涼飲料を国内外で展開し、国内シェアトップクラスです。猛暑になるとビールや清涼飲料の需要が大きく伸びるため、業績追い風が期待できます。実際、暑い夏は喉の渇きからビールが飲みたくなるものです。

今年のような「災害級の暑さ」が予想される夏は、水分補給需要とともにビールの売れ行きも良くなるでしょう。キリンビールの試算では気温が1℃上昇するとビール類の売上が約2.5%増えるとされており、業界全体で猛暑のプラス効果が見込まれます。

猛暑との関連性

猛暑時にはビール消費が増えるため、ビール各社の業績が底上げされ株価も上昇しやすい傾向があります。事実、2018年の猛暑ではビール市場が前年比約2%拡大し(各社の積極的販促も寄与)、アサヒ飲料の販売数量も前年比4.0%増と予想以上の伸びを記録しました。キリンビールも2018年6~8月の売上が前年同期比112%(特に7月は115%増)と大幅増となり、約13年続いた市場減少トレンドを猛暑が覆す形となりました。

株価推移

チャートのとおり、2020年はコロナ禍で一時低迷しましたが、その後は業績回復に伴い株価も持ち直しています。2021年以降は外食需要の復調や販売数量増加もあり回復し、直近ではコロナ前の水準を超える場面もみられます。猛暑となる今年夏はビール需要増加が追い風となり、業績改善への期待から株価も底堅く推移しそうです。

ダイキン工業(空調機)

業種

ダイキン工業(東証プライム・コード6367)はエアコン世界最大手の空調機器メーカー。家庭用から業務用まで幅広い空調設備を手掛けており、特に国内の業務用エアコン市場で圧倒的シェアを持ちます。猛暑になればエアコン需要が急増するため、販売台数増加や部品交換需要などで恩恵を受けやすい銘柄です。

近年の地球温暖化の影響で世界各国で気温が上昇しており、各地でエアコン需要が高まっています。日本でも夏の猛暑日は年々増加傾向にあり、家庭やオフィスでの冷房稼働率アップが見込まれることから、空調関連の業績に追い風となるでしょう。

猛暑との関連性

酷暑になるとエアコンの買い替えや増設需要が増え、またフル稼働によるメンテナンス需要も発生するため、ダイキンの売上増加に直結します。猛暑時には節電意識とのせめぎ合いになりますが、「省エネ性能の高い最新エアコンへの買い替え」が促進される面もあります。

実際、近年の猛暑でエアコン需要は世界的に増加傾向にあり、同社も旺盛な需要に対応するため生産体制を強化しています。

株価推移

業績好調を背景に株価は長期的に上昇基調を辿り、2023年には3万円台まで到達して過去最高値を更新しました。その後は一時調整が入りつつ下落傾向が続いており、そろそろ底打ち感や割安感出てきた頃です。まだ下落基調のため安易に入るのは避けたいところですが、業績を確認しつつ、さらに割安感が出た時には買場になるかもしれません。

2023年には世界的な空調需要拡大や円安追い風で株価上昇した背景もあり、今後も猛暑が続けば業績の追い風となるため、中長期的にも堅調な株価推移が期待できるでしょう。

資生堂(化粧品)

業種

資生堂(東証プライム・コード4911)は大手化粧品メーカー。スキンケア製品を中心に国内外で展開し、高価格帯コスメにも強みを持ちます。猛暑になると紫外線が強くなるため、日焼け止めやUVカット化粧品の需要が大幅に増加します。

近年は老若男女問わず日常的に日焼け止めを使う人が増えており、スプレータイプなど手軽に使える商品も登場して注目を集めています。資生堂は「アネッサ」をはじめ高機能な日焼け止めブランドを擁し、この猛暑の夏も紫外線対策需要の追い風が見込まれます。

猛暑との関連性

強烈な日差しが続く夏場はUVケア製品の売上が伸びる傾向にあります。資生堂では国内化粧品市場がコロナ禍から回復する中、高機能の日焼け止めや美白スキンケア製品が好調で、猛暑によりさらに需要が押し上げられる可能性があります。特に屋外レジャーやスポーツが盛んな夏は「こまめな塗り直し」が推奨されるため、消費量も増えるでしょう。

株価推移

同社株は2019年頃に一時9,000円前後まで上昇しましたが、その後はコロナの影響で低迷し、2020年には5,000円台まで下落しました。しかし事業構造改革の進展やインバウンド需要の回復期待から少し持ち直したものの、直近は下落基調が続いています。猛暑による売上増や中国観光客の需要復活などが追い風となれば、再び株価上昇への期待が高まるでしょう。

ホシザキ(業務用冷機)

業種

ホシザキ(東証プライム・コード6465)は業務用厨房機器の大手メーカー。冷蔵庫や製氷機で国内トップクラスで、世界初の全自動製氷機を開発した業界のパイオニア企業です。猛暑になると飲食店やコンビニでは氷の需要が急増し、製氷機フル稼働や新規導入ニーズが高まります。そのため、ホシザキは夏の猛暑シーズンに業績が伸びやすい銘柄として知られています。

実際、毎年猛暑関連のテーマで名前が挙がる常連で、スーパーやコンビニ、学校や病院など幅広い施設に同社の製品が採用されています。猛暑が続けば氷や冷水機器の需要増加により受注が潤うことが期待できます。

猛暑との関連性

酷暑になると各所で氷需要が跳ね上がるため、業務用製氷機の販売やレンタルが増える傾向があります。特にコンビニの飲料コーナーや飲食チェーンのドリンク提供で製氷機は欠かせず、猛暑年には「設備増強」や「買い替え」が進みやすくなります。ホシザキの業績も猛暑の年に上振れするケースが多く、市場では典型的なサマーストックの一角として注目されます。

株価推移

2019年にかけて株価が大きく上昇した後、2020年は飲食店の休業影響で一時落ち込みました。しかしその後は国内外の飲食需要回復やインバウンド効果もあり持ち直し、業績は増収増益基調で推移しています。直近の決算でも保守的な為替前提ながら過去最高益予想を掲げるなど好調で、株価も緩やかながら上昇トレンドを維持しています。今年の猛暑による追加需要が業績を後押しすれば、さらなる株価評価も期待できるでしょう。

ワークマン(アパレル)

業種

ワークマン(東証プライム・コード7564)は作業服・アウトドアウェア小売チェーン。全国展開する「ワークマン」は近年、機能性に優れ価格も手頃な衣料で一般層からも支持を集めています。

猛暑に対応した冷感・放熱ウェアの商品開発にも積極的で、夏向けの高機能インナーやファン付き作業着などユニークな商品を次々投入しています。実際、2023年には“着るエアコン”と称されるペルチェ素子内蔵の冷却ベストを発売するなど話題を呼び、酷暑対策グッズ分野をリードしています。また、接触冷感グッズ(触れるとひんやり感じる衣料)のカテゴリーでは、ニトリHDやワークマンといった企業が注目されています。

猛暑との関連性

近年の酷暑で空調服(ファン付き作業着)や冷感インナーが爆発的な人気となっています。実際、大手建設会社では空調服がほぼ標準採用され、個人向けの購入も前年比50%増と急増して品薄状態になっています。ワークマンはこれら暑熱対策ウェアを低価格で提供しており、猛暑の夏は関連商品の売上が伸びやすい傾向にあります。屋外作業者向けのみならず一般のアウトドア愛好家や通勤者にも夏用アイテムが浸透しつつあり、猛暑は同社にとって商機と言えます。

株価推移

2017年頃から業績好調で株価は急上昇し、2020年には10,000円程度の高値を付けました。その後は成長の一服感から調整していますが、それでも2017年比で数倍の水準を維持しています。

株価も下落基調が終わり底入れ感があるなかで、猛暑による夏物商品の貢献が追い風となれば再び上昇基調に乗る可能性もあります。一般投資家にも馴染みやすいブランド力と成長性を兼ね備えており、酷暑関連の期間限定テーマとして注目しておきたい銘柄です。

まとめ

猛暑というトレンドは必ずやってくる可能性が高く、年1回は株価が反応するタイミングが起きる可能性も高いので、猛暑に入る前に是非チェックをしておきたいところです!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA