
今年のメタプラネットの大相場には驚かされます。ギャンブルのような投資と思ってみていましたが、気づけば1兆円企業となっている状況を考えると、これはこれで1つの事実として受け入れざるを得ない状況です。
今後どのようになっていくかわかりませんが、もはや見過ごせないテーマとなってきた「ビットコイン事業」について、エボファンド(Evo Fund)が大株主となっている企業の中で、現時点で暗号資産(ビットコイン等)の保有・投資・事業参入を公表していない企業に注目し、今後3か月以内に新たに暗号資産投資事業へ参入する可能性が高い企業を分析・予想してみました。
各社について事業内容の親和性や経営陣の傾向、財務状況、新規事業参入の実績、株主構成(特にエボファンドの影響)などの観点から予測根拠を示し、短期的な参入可能性を評価します。
今回の記事は、最近のトレンドから無視できないテーマとして取り扱ってみましたが、テーマ内容からハイリスク・ハイリターンの内容となります。本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の銘柄や投資行動を推奨するものではありません。投資に関する最終判断は、ご自身の責任で行ってください。
ピクセラ (6731) – IoT/Web3事業展開中の小型IT企業
事業内容の親和性
ピクセラは元々チューナー等の映像機器メーカーですが、近年はIoTやAI分野へ事業転換を図っています。特に2025年3月には新規プロジェクト「エブリポイント」を開始し、「AI×Web3×IoT」を組み合わせたポイントサービスを展開しています。
このサービスではブロックチェーン上でポイントをトークン化し、ユーザーが独自ウォレットで保有・取引できる仕組みを導入しており、同社はWeb3(ブロックチェーン)技術を実用サービスに活用しています。こうした事業親和性から、暗号資産への理解や技術基盤が既に社内に蓄積されており、今後ビットコインの財務保有に踏み切る土壌があります。
経営陣の傾向・リスク許容
ピクセラは業績低迷が続く中、新規事業に積極的です。IoT家電やポイント事業への参入など、従来事業に囚われない戦略転換を行っており、経営陣は新技術やトレンドを取り入れる柔軟性を示しています。
暗号資産についても公式発表はありませんが、株主へのメッセージなどで将来的な活用可能性を示唆する可能性があります。実際、投資家の間では「ピクセラがビットコインを買えば…」といった暗号資産参入への思惑も語られており、経営側がそれを意識している可能性もあります。
財務余力・キャッシュポジション
同社の株価は低位にありますが、直近期では大型増資等により資金調達を行い、財務テコ入れを図っています。新規事業「エブリポイント」開始時も資金需要に対応しており、手元資金の一部を暗号資産に振り向ける余力はあると考えられます。
暗号資産への投資は財務戦略(資産分散や将来収益機会)として有効であることが、他社の事例(例えばenish社)でも示されています。ピクセラも同様の動機でビットコイン保有に踏み切る可能性があります。
新規事業参入の実績
前述のとおり、同社は近年Web3やAI分野へ大胆に舵を切っています。過去には家電メーカーからソフトウェア・サービス企業へと転換を図っており、新規事業への挑戦経験が豊富です。
外部環境の変化に合わせ事業ポートフォリオを柔軟に組み替えてきた実績があるため、仮想通貨分野も「次の一手」として検討している可能性が高いでしょう。
株主構成とエボファンドの影響
2025年春時点でエボファンドはピクセラ株の約36%を保有し主要株主となっています。エボファンドは経営陣への助言や資金支援を行う可能性がある投資家であり、同社株価向上策として暗号資産分野への進出を後押しすることも考えられます。
実際、市場ではピクセラが暗号資産関連銘柄として物色される場面もあり、ビットコイン価格上昇局面では同社株が連動高する動きも見られました。これはエボファンドを含む大株主がそうした戦略転換を期待しているシグナルとも解釈できます。
評価(参入可能性)
ピクセラは暗号資産技術との親和性が極めて高く、すでにWeb3事業を開始している点で他社に先んじています。業績回復の起爆剤として、今後3か月以内に財務投資目的でビットコインを取得・保有する可能性は高いと予想してみました。
エボファンドの支援の下、ピクセラが「日本版マイクロストラテジー」とも言えるビットコイン長期保有戦略を打ち出す展開も十分考えられるでしょう。
REVOLUTION(8894) – 不動産×投資事業のハイブリッド企業
事業内容の親和性
REVOLUTIONは都心部の収益不動産の買取再販や仲介を主力としつつ、M&Aやクラウドファンディング事業にも乗り出すなど、多角化を進める不動産会社です。不動産クラウドファンディング事業を傘下に持つなど金融的なビジネスも行っており、新たに投資事業や金融商品への進出素地があります。
現時点で仮想通貨への公式な関与表明はないものの、「投資事業」の一環として暗号資産を扱うことは業態的に不自然ではありません。むしろ、自社資産の一部をビットコイン等に投資・保有することは、同社の事業ドメイン拡大に合致します。
経営陣の傾向・戦略性
同社は近年経営体制を刷新し、収益改善のために事業モデルを多角化してきました。従来の不動産売買だけでなく、新規にM&Aやファンド事業に力を入れている点から、経営陣は収益機会を求めて新領域に挑む戦略性とリスク許容度を持っていると言えます。
また、フィンテック領域の一つであるクラウドファンディング事業を開始した実績から、ブロックチェーン技術やデジタル資産にも理解を示す素地があるでしょう。実際、Yahoo掲示板上でも「暗号資産投資ブームに乗り遅れるな」「ここは仮想通貨は不安定だからやらないと言ってなかったか?」といった投資家の関心が伺え、市場は同社の経営判断として暗号資産参入を意識しています。
経営陣も株主のこうした声を無視できない可能性があります。
財務状況・キャッシュポジション
同社は不動産売買を主業とするためバランスシート上まとまった現預金を有していると推定されます。実際、2025年3月期時点で現金および短期投資は約39億円に上るとのデータもあり、資産の一部をビットコインに振り向ける余力は十分です。
また、不動産市況の変動による収益ブレを平滑化するため、財務リスク分散策として暗号資産を長期保有する意義もあります。ビットコインは流動性や市場規模が大きく長期的な価格上昇も期待されるため、自社資産の保全・成長手段として検討し得ると同社も考えるでしょう。
新規事業参入や事業転換の傾向
同社は社名からもわかる通り変革志向が強く、ここ数年で不動産事業に加えてクラウドファンディングや投資事業といった新領域に参入してきました。M&Aによる事業拡大も辞さない姿勢であり、停滞を打破するための事業ポートフォリオ転換に積極的です。
過去には業績低迷からの再起を図るため経営権の異動(MBO受け入れ)も経験しており、環境適応のためなら大胆な決断を下す傾向がうかがえます。その延長線上で、暗号資産分野への参入も「新たな収益源・変革策」として位置付けられるでしょう。
株主構成とエボファンドの影響力
2024年に実施された経営再編では、エボファンドがレボリューション株式を5%以上取得し、主要株主の一角に加わりました。さらにMBO過程ではエボファンド含む4者で株式の過半数超を握る動きもあり、結果的にエボファンドが後ろ盾となる体制が整っています。
実際、エボファンドを大株主に迎えたことで資金調達環境が改善し経営状態も向上したとの指摘もあります。このようにエボファンドは同社経営陣に対し強い影響力と支援姿勢を持つため、暗号資産投資への参入についても提案・助言する可能性があります。
エボファンド自体が様々な上場企業で財務戦略の一環としてビットコイン取得を促す動きを見せており(例:マックハウスへの関与)、レボリューションでも同様の株主圧力が働くことが考えられます。
評価(参入可能性)
レボリューションは不動産×金融のハイブリッド企業として暗号資産との相性が比較的良く、経営陣も新規事業に前向きで資金的余裕もあります。加えてエボファンドの強力なバックアップがあることから、短期的にビットコイン投資・保有を決断しても不思議ではない状況です。
以上を踏まえ、今後3か月以内に財務戦略の一環としてビットコインを取得・保有する可能性は高いと予想してみました。具体的には、プレスリリースやIRにおいて「金融・投資事業の拡充」としてビットコイン取得を公表し、財務健全性の向上と企業価値アピールを図る展開が予想されます。
メディアリンクス (6659) – 技術力の高い通信機器メーカーの再生策
事業内容の親和性
メディアリンクスは放送・通信向けネットワーク機器の開発・販売を手掛ける技術志向の企業です。現在まで暗号資産やブロックチェーンに直接関わる事業は公表していませんが、高性能なデータ通信技術を持つことから、暗号資産の取引インフラやブロックチェーンネットワーク運用に応用できる可能性があります。
社内の開発陣比率も高く、新規技術領域への対応力があるため、自社プロダクトを暗号資産業界向けに展開したり、自らビットコインノード運用やマイニング事業に乗り出す下地はあります。公式の親和性は現状薄いものの、「通信インフラ×暗号資産」という新しい事業コンセプトを打ち出す潜在力は十分と考えられます。
経営陣の傾向・リスク許容
同社は6期連続の赤字に陥るなど経営再建が急務となっています。経営陣にとって既存市場(放送通信)のみでは業績回復が難しい状況であり、リスクを取ってでも事業転換や新規市場開拓を模索している段階です。
実際、2023年以降に外部資本の受け入れ(エボファンドによる増資引受など)を行い、経営刷新が図られました。このことから、新たな株主の意向を汲んで大胆な戦略を採用する可能性が高まっています。暗号資産投資事業への参入は従来路線からの逸脱に見えますが、経営再建のためなら異分野にも踏み込むだけの危機感と決断力が現経営陣には備わっていると推察されます。
財務余力・キャッシュポジション
2025年3月期まで赤字が続いた影響で自己資本比率は低下し財務体質は弱まっています。しかし、エボファンドからの資金調達により一時は発行済株式の40%以上を引き受ける規模で資金供給を受けており、現在も20%以上を保持する筆頭株主です。
この背景から、運転資金の確保や新規投資原資についてエボファンドが支援していると考えられ、必要な資金面での後ろ盾があります。したがって、仮にビットコイン取得に一定の資金を充当する判断をしても、資金繰り面の不安は小さいでしょう。むしろ、保有資産の一部を流動性の高いビットコインに転換し、評価益狙いと資産流動性の向上を図ることは財務戦略上理解できる選択肢です。
過去の新規事業・事業転換
メディアリンクス自体は創業以来コア事業を維持していますが、経営危機に直面した直近では外部資本を得て事業再生を模索するフェーズに入っています。社内リソースを活かせる新規領域として、映像配信プラットフォーム事業やクラウドサービスなどへの展開も噂されたことがあります。
暗号資産関連も社外では度々テーマとして取り沙汰され、投資家から「わざわざビットコインを買わずとも既存技術がある」との声が出るほどです。このように市場関係者から事業転換候補として暗号資産が意識されており、会社側も検討対象に入れている可能性があります。
株主構成とエボファンドの影響
2023年4月にエボファンドは同社株の41.27%を取得し筆頭株主となりました。その際の大量保有報告書では「純投資」であるものの経営陣への助言を行う場合がある旨が記載されており、エボファンドが実質的に経営にコミットしていることが窺えます。
事実、その後エボファンドは保有株を若干減らしつつも2025年6月時点で約21%を保持し続けています。依然として最大の影響力を持つ株主として経営再建策に口出しできる立場にあり、暗号資産事業への参入もエボファンド主導で検討される可能性があります。
エボファンドは他の投資先企業でビットコイン投資発表を行わせ株価を大幅上昇させた例(前出のマックハウスの急騰など)があるため、メディアリンクスにも同様の株価浮揚策として暗号資産参入を促す圧力をかけることが考えられます。
評価(参入可能性)
メディアリンクスは経営再建中で背水の陣にあることから、起死回生策として暗号資産分野に打って出る可能性が十分にあります。自社の通信技術を売り込む場として暗号資産業界に関与するだけでなく、財務投資としてビットコインを保有・運用する発表を行えば、一時的にせよ市場の注目を集め企業価値向上につながると考えられます。
こうしたメリットを株主であるエボファンドも共有しているとすれば、今後数ヶ月以内に同社がビットコイン取得や暗号資産運用事業開始を公表する可能性は高いと予想してみました。
総合的に判断して、メディアリンクスはエボファンド投資先の中でも短期で暗号資産事業に参入しうる有力候補です。
さいごに
以上3社はいずれも、現時点では暗号資産への公式な言及がないものの、事業分野や経営戦略上から見て短期的に仮想通貨・ビットコイン投資事業へ踏み出す公算が大きいと考えられます。特にエボファンドというアクティビスト色の強い株主の存在は、これら企業に暗号資産参入を決断させる大きな推進力となり得ますので、動向に注視が必要です。