【TOB候補】オープンワーク(親子上場)

【TOB候補】オープンワーク(親子上場)

今回は「オープンワーク」についてです。2025年4月時点の情報をもとにしています。

会社概要

企業概要

  • 商号: オープンワーク株式会社(OpenWork Inc.)
  • 設立: 2007年6月
  • 本社所在地: 東京都渋谷区渋谷2-24-12 渋谷スクランブルスクエア
  • 電話番号: 03-5962-7040
  • 上場市場: 東京証券取引所グロース市場(2022年12月上場)
  • 親会社: 株式会社リンクアンドモチベーション(2020年1月より)
  • 事業内容:
    • 社員クチコミサイト「OpenWork」の運営
    • 採用支援「OpenWorkリクルーティング」の提供
    • データサービス(FIS、DAP)による法人向け支援
    • キャリア情報交換プラットフォームの提供(OpenWorkキャリア)
  • 公式サイト: https://www.openwork.co.jp/

拠点

  • 東京本社
  • 大阪営業所(関西圏営業強化のため2024年新設)

従業員・採用情報(2024年12月時点)

  • 従業員数: 126名
  • 営業生産性: 1人当たり営業利益795万円(高水準)
  • 採用: 新卒・中途ともに積極採用、大学キャリアセンターと連携し学生向けサービスも拡充中

沿革ハイライト

  • 2007年: 株式会社ヴォーカーズ設立、社員クチコミサイト「Vorkers」開始
  • 2019年: 商号をオープンワーク株式会社に変更
  • 2020年: リンクアンドモチベーション傘下に
  • 2022年: 東証グロース市場に上場、ユーザー数500万人突破
  • 2024年〜2025年: 大阪拠点開設、学生向け事業強化、キャリアコミュニティ「OpenWorkキャリア」開始

主力サービスと構成比(2024年12月期)

  • OpenWork(社員クチコミ): 売上比率29%、口コミデータによる広告・送客収入が中心
  • OpenWorkリクルーティング: 68%、企業向け求人掲載・ブランディング支援サービス、特に大手企業での採用マッチング拡大が寄与
  • その他: 2%、FIS(投資判断データ提供)、DAP(組織改善支援)、キャリア情報交換サービスなど

戦略と展望

  • 採用支援の強化: 大手企業の採用需要を背景に、OpenWorkリクルーティング事業が収益の柱に成長
  • 若年層へのアプローチ: 学生ユーザー30万人を対象に、大学との連携で口コミ閲覧権を付与、将来的な有料会員・リクルーティングへの導線を整備
  • データサービスの育成: DAP(Data Analytics Platform)やFIS(Financial Indicator Service)などの法人向けBtoBデータサービスも強化
  • 地域展開: 関西圏での営業力強化を目的とした大阪拠点新設により、関東一極集中からの脱却を模索

企業理念

OpenWorkは「働きがいのある会社を増やす」ことをビジョンに掲げ、社員クチコミという透明性の高い情報を軸に、キャリア形成・採用支援・企業改善を支えるプラットフォームを展開。口コミデータの信頼性と網羅性を武器に、今後も個人と企業のより良いマッチングを追求しています。

株主構成

親会社

大株主

株価指標

  • 概要
  • PER:20倍程度
  • PBR:2.5倍程度
  • 利回り:-
  • 時価総額:150億円程度

コーポレートガバナンス

支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針

当社と親会社の株式会社リンクアンドモチベーションとの主な取引としては、当社は同社にOpenWorkリクルーティングサービスの販売を行っていると共に、当社は同社の組織改善のためのエンゲージメントサーベイ「モチベーションクラウドサービス」を利用しております。親会社の株式会社リンクアンドモチベーションとの取引の条件については、一般的な市場での条件を勘案し親会社以外との取引条件と著しく相違しないように留意して、公正かつ適正に決定しており、当社の取締役会は、親会社との取引が適切な取引条件により行われ、当社や少数株主の利益を害することはないものと判断しております。また、株式会社リンクアンドモチベーションとの取引内容については、当社の取締役会で承認したうえ、取締役会で毎事業年度末に取引実績を報告し、継続取引の承認を行う方針としており、当社や少数株主の利益を害することのないよう、取締役会でその妥当性を監視し利益相反状況を管理しております。当社の経営方針や事業展開などに係る意思決定にあたっては、親会社から一定の独立性を確保し当社の取締役が独自の経営判断に基づき行っており、当社や少数株主の利益を害することはないと判断しております。

その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

(1)関連当事者取引の内容

当社は親会社の株式会社リンクアンドモチベーションとの主な取引の他に、同社のグループ会社と以下の取引を行っております。

■OpenWorkリクルーティングの販売

  • 株式会社リンク・アイ
  • 株式会社リンクエージェント
  • 株式会社モチベーションアカデミア・株式会社リンクイベントプロデュース
  • 株式会社リンクコーポレイトコミュニケーションズ
  • 株式会社リンク
  • インタラック
  • 株式会社リンクアカデミー

■グループ会社の人材紹介サービスの利用

  • 株式会社リンク・アイ
  • 株式会社リンクエージェント

■グループ会社からの出向者受け入れ

  • 株式会社リンクエージェント

上記の他、関連当事者である株式会社オンテックス、株式会社リヴァンプ、株式会社クロス・マーケティンググループ、株式会社クロス・マーケティング、株式会社ドゥ・ハウスにOpenWorkリクルーティングサービスを販売しており、株式会社クロス・マーケティンググループとは、クチコミデータ分析に関する契約も締結しております。クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパン株式会社とは2022年10月まで同サービスの契約関係がありましたが、同社のサービス利用取引実績はなく取引額は生じておりません。本書提出日現在は取引を解消しております。上記のグループ会社及び関連当事者の取引については、当該取引の必要性及び一般的な市場での条件を勘案し上記のグループ会社及び関連当事者以外との取引条件と著しく相違しないように留意して、公正かつ適正に決定しており、当社の取締役会は、上記のグループ会社及び関連当事者との取引が適切な取引条件により行われ、当社や少数株主の利益を害することはないものと判断しております。また、上記のグループ会社及び関連当事者との取引内容について、当社の取締役会で承認した上、取締役会で毎事業年度末に取引実績を報告し、継続取引の承認を行う方針としており、当社や少数株主の利益を害することのないよう、取締役会でその妥当性を監視し利益相反状況を管理しております。

(2)親会社からの独立性の確保の取り組み

当社は、東京証券取引所が定める独立性基準に基づく独立社外取締役を2名、独立社外監査役を2名選任しております。これらにより当社として独立した事業運営を行うことができる体制を構築しておりますが、子会社上場における少数株主保護の重要性も踏まえ、今後、独立社外取締役の増員について検討を行う方針です。

(3)親会社におけるグループ経営に関する考え方および方

株式会社リンクアンドモチベーションにおけるグループ経営に関する考え方および方針は以下のとおりです。

①グループ経営に関する考え方および方針

親会社グループは、「私たちは、モチベーションエンジニアリングによって、組織と個人に変革の機会を提供し、意味のあふれる社会を実現する」という企業理念のもと、心理学・行動経済学・社会システム論などを背景にした基幹技術「モチベーションエンジニアリング」を用いて、多くの企業と個人の変革をサポートしております。親会社グループは、グループ各社の事業の拡大と同時に、各社が相互に連携し、シナジーを創出することを目指しています。そのために親会社は、各社の自主性を尊重しつつ、シナジーが適切に創出され企業価値の最大化が図られるよう、必要な役割を担うこととしております。

②上場子会社のガバナンス体制の実効性確保に関する方策

親会社は、上場子会社の少数株主の保護及び上場会社としての独立性確保の観点から、上場子会社独自の経営体制・方針を尊重し、経営の自主性を維持することが親会社グループの価値向上に向けて適切であると考えております。そのため、上場子会社の経営の意思決定において親会社の事前承認を不要とし、親会社グループの開示義務等に影響を与えるものに限定して報告を行う方針とし、上場子会社の意思決定を不当に拘束することがないように配慮されております。また、上場子会社の独立性を尊重し、自立的な経営を支持する中で、株式保有割合を検討することとしております。

③上場子会社を有する意義

親会社は、上場子会社が、自律的な経営を行い、株主や顧客や取引先、従業員等のステークホルダーと対話を重ねながら信頼を獲得していくことが事業の成長を導き、企業価値を向上させ、結果として親会社グループ全体の企業価値の向上に資するものと考えております。当社は、親会社グループの事業セグメントのうち、エンゲージメント・マッチングをコンセプトに組織と個人をつなぐ機会を提供するマッチングディビジョンに属しております。なお、マッチングディビジョンの人材紹介事業は、当社、株式会社リンク・アイ、株式会社リンクエージェントから構成されております。株式会社リンク・アイ、株式会社リンクエージェントは、ともにエージェント機能を強みとするビジネスです。プラットフォーム上でのダイレクトリクルーティングを強みとする当社とは競合関係でなく、将来に渡ってグループシナジーを創出していく関係にあります。企業における従業員エンゲージメントの向上ニーズ及び採用ニーズが急速に拡大している中、当社の上場会社としての独立性・自主性を維持しつつも、親会社グループの一員として、親会社グループ各社と協業していくことが、親会社グループ全体の企業価値向上に資するものと考えています。なお、当社は独立した立場で経営を行っており、上場についても当社の意思決定に委ねられておりますが、親会社としては現時点では当社の上場を維持することが望ましいと判断しています


オープンワークとリンクアンドモチベーションの資本提携、その背景と広がるシナジーとは?

2020年、働きがい改革の旗手として注目されていたオープンワーク株式会社が、組織人事コンサルティング大手のリンクアンドモチベーションの傘下に入りました。この提携は、単なる資本参加にとどまらず、日本のHR業界における「人的資本経営」の可能性を一歩先に進めるものでした。

背景:共通する「働きがい」への志

両社に共通していたのは、「働きがいのある社会をつくる」という価値観。オープンワークは、実名社員クチコミという“リアルな声”を集めるプラットフォームとして企業の内情を可視化。一方のリンクアンドモチベーションは、企業の組織課題を可視化し改善する「モチベーションクラウド」などのサービスで実績を持っています。

この両者が連携することで、クチコミ=“社員の声”と、組織サーベイ=“企業の診断データ”が融合。従来は点だったデータを線に変え、より立体的な「働く現場の見える化」が実現しました。

協業成果①:OpenWorkとモチベーションクラウドの連動

両社の提携以降、特に注目されているのが「企業向け組織改善支援サービス」の強化です。OpenWorkが保有するクチコミデータをベースにした『DAP(Data Analytics Platform)』と、リンクアンドモチベーションの『モチベーションクラウド』を相互活用することで、以下のようなシナジーが生まれています。

  • 経営者や人事部門が、外部からの「見られ方」(OpenWork)と、内部の「本音」(モチベクラ)を同時に把握
  • 離職要因やエンゲージメント改善点を、クチコミ×サーベイのデータで裏付ける
  • 採用だけでなく、定着・育成にも活かせる「働きがいレポート」の生成が可能に

協業成果②:企業ブランディング&採用支援の強化

採用面でも、OpenWorkリクルーティングのサービスとリンク社の持つ企業ブランド戦略が融合。以下のような成果が出ています。

  • 大手企業のリクルーティングにおいて、「働きがいスコア」やクチコミの活用事例が増加
  • 中堅・ベンチャー企業のブランディング強化にも貢献
  • クチコミを入口とした求職者の信頼度向上により、入社後のミスマッチ減少

今後の展望:人的資本経営のインフラへ

このような協業を通じて、オープンワークは「転職口コミサイト」から「人的資本経営支援インフラ」へと進化しています。

今後は、クチコミデータを活用したESG評価、IR資料への反映、人材の流動性予測など、より高度な経営・投資判断の材料としての価値も高まっていくでしょう。

投資戦略

  • PER/PBRについては割安感はあまりないが、業績は堅調に伸びているので、将来性という点では期待が持てる。
  • ただし、配当も出ておらず、親会社との協業がかなり進んでいるなかで、上場後間もないことを考えると、すぐにTOBというのは考えづらい。
  • 業績は増収増益基調が続いているため、TOBも期待しつつ押し目買いを目指すことが考えられる。

TOB用に証券会社をもう1つ作っておこう

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