【TOB候補】日本スキー場開発(親子上場)

【TOB候補】日本スキー場開発(親子上場)

今回は「日本スキー場開発」についてです。2024年時点の情報となります。

会社概要

基本情報

  • 商号: 日本スキー場開発株式会社
  • 設立: 2005年12月
  • 所在地: 399-9301 長野県北安曇郡白馬村大字北城6329-1
  • 電話番号: 0261-72-6040
  • URL: https://www.nippon-ski.jp/
  • 事業内容: スキー場運営、旅行企画・販売、地域活性化事業
  • 上場市場: 東京証券取引所グロース市場(2015年4月上場)

沿革

2005年-2010年

  • 2005年12月: 日本駐車場開発株式会社が設立
  • 2006年9月: サンアルピナ鹿島槍スキー場(現HAKUBA VALLEY鹿島槍スキー場ファミリーパーク)の運営を開始。
  • 2009年11月: 竜王スキーパークの運営を開始。
  • 2010年10月: 川場スキー場の運営を開始。

2011年-2015年

  • 2012年11月: 白馬八方尾根スキー場、白馬岩岳スノーフィールド、栂池高原スキー場の運営を開始。
  • 2015年4月: 東京証券取引所マザーズに株式を上場。

2016年-2020年

  • 2017年10月: 旅行企画販売事業「NSDトラベル」を設立。
  • 2020年6月: 信越索道メンテナンス株式会社の全株式を売却。

2021年-現在

  • 2022年4月: 東京証券取引所グロース市場へ移行。
  • 2023年: POSデータクレンジングサービスを稼働開始。

主力事業

  1. スキー場運営: 白馬エリア(HAKUBA VALLEY)を中心とした国内有数のスキー場を運営。
  2. 旅行事業: 旅行企画・販売を手掛ける「NSDトラベル」を運営。
  3. 地域活性化: 地域社会と連携し、観光を通じた地方経済の発展に寄与。

事業構成(2024年7月期)

  • スキー場・リフト券: 59%
  • 料飲: 15%
  • レンタル: 8%
  • その他: 18%

特徴と動向

  • 訪日観光: 通年で訪日客数約12%増の34万人を見込む。白馬地区の新ゴンドラ運行や宿泊施設強化でインバウンド需要を牽引。
  • 夏期事業: グランピングなど施設充実で収益拡大を目指す。
  • 再開発: 三菱地所、清水建設と土地譲渡契約を締結しホテル誘致、八方尾根にゴンドラ投資(32億円)を実施。

運営スキー場

  • HAKUBA VALLEYエリア: 白馬八方尾根スキー場、白馬岩岳スノーフィールド、栂池高原スキー場
  • その他エリア: 川場スキー場、竜王スキーパーク、菅平高原スノーリゾート

財務状況

  • 従業員: 233名(連結、2024年7月時点)
  • 平均年齢: 35.6歳
  • 平均年収: 506万円
  • 総還元性向: 13.9%(過去3期平均)

比較会社

  • リソルホールディングス(5261)
  • リゾートトラスト(4681)

日本スキー場開発株式会社は、国内外からの観光客を誘致し、スキーリゾートの魅力を高めることで、日本のスノー観光の発展に貢献しています。また、夏季観光需要の取り込みや再開発事業にも積極的に取り組み、持続可能な地域経済の発展を目指しています。

株主構成

親会社

大株主

株価指標

  • 概要
  • PER:15倍程度
  • PBR:2.5倍程度
  • 利回り:1%程度
  • 時価総額:200億円程度

コーポレートガバナンス

支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針

日本駐車場開発(株)の取締役1名が当社の取締役を兼務し、同社従業員1名が当社の取締役として、また、同社従業員1名を当社子会社の取締役として出向の受入を行っておりますが、次の理由から当社独自の経営判断を妨げるものではなく、同社からの一定の独立性が確保されていると認識しております。
1.上場取引所の定めに基づき独立役員として指定する社外取締役4名が就任しており、取締役会における審議に当たり、より多様な意見が反映されることから、当社は独自の経営判断を行うことができる状況にあると認識しております。
2.当社グループは、提出日現在、日本駐車場開発(株)の子会社である日本テーマパーク開発(株)とスキー場施設の賃貸借契約及び索道事業に係る業務を受託する契約を、また、日本駐車場開発(株)の孫会社である藤和那須リゾート(株)と宿泊施設の運営に係る業務委託契約を締結しておりますが、当社の事業活動は日本駐車場開発(株)及びそのグループ企業との取引に大きく依存する状況にはないと認識しております。取引を行う場合は、2023年4月に制定した「関連当事者取引管理規程」に基づき、事前に社外取締役及び社外監査役が参画した取締役会において、十分に審議を実施すること、取引を行う合理性及び取引条件の合理性を慎重に勘案すること、少数株主の利益の保護の観点から、合理性を説明できることを条件に決定しており、少数株主の利益の保護に努めております。

その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

該当ございません。

日本駐車場開発が日本スキー場開発を設立した背景

1. 資産活用と多角化戦略

日本駐車場開発株式会社は、駐車場運営を主軸とする企業で、土地や施設の管理に高い専門性を持っています。これを背景に、既存事業で培ったノウハウを活用し、他の不動産資産に焦点を当てた多角化を図る中で、スキー場運営事業が新たな収益源として適していると判断しました。

2. スキー場の再生と収益化

2000年代当時、多くのスキー場は経営難に陥っており、運営効率化や資本注入を必要としていました。日本駐車場開発は、スキー場運営事業に参入することで、効率的な運営体制を導入し、経営再建を図ることが可能でした。具体的には、以下のような再生戦略を実行しています:

  • 施設やリフト設備の整備・改善。
  • サービスの質向上(例:訪日客対応や多言語サービス)。
  • 地域観光資源との連携。

3. 観光事業への展開

日本は世界有数のスキーリゾートを擁しており、特に白馬エリアを中心とした地域は国内外で高い人気を誇っています。この潜在的な需要を活用し、日本駐車場開発はスキー場運営を観光事業の基盤とすることで、訪日観光客を含めた広範な顧客層にアプローチし、地域活性化にも寄与しています。

4. 夏季利用の可能性

スキー場の事業収益は通常、冬季の利用に依存する傾向がありますが、夏季にはハイキングやグランピングなどのアウトドア観光を組み合わせることで、収益機会を増やす可能性がありました。これにより、スキー場を四季を通じた収益基盤に転換することを目指しました。

5. 地域経済への貢献と持続可能性

日本スキー場開発は、単なるスキー場運営に留まらず、地元企業や自治体と連携し、地域社会の活性化に取り組んでいます。観光客誘致や雇用創出を通じて、地方経済の持続可能な発展を目指している点も、設立の背景にあります。

6. まとめ

日本駐車場開発株式会社は、既存の駐車場運営事業から得たノウハウを活用し、スキー場運営事業に参入することで、新たな収益基盤の確立と地域社会への貢献を目指して日本スキー場開発を設立しました。同時に、国内外の観光需要を取り込みつつ、四季を通じた施設利用を可能にする戦略を展開しています。

TOBの可能性と投資戦略

  • 日本駐車場開発が日本スキー場開発を設立した背景や、日本スキー場開発が上場して10年程度経過していて、かつグロース市場を選択している状況を考えるとTOBの可能性は高くないと考える。
  • 配当利回りも高くなく、割安感もそれほどないことを考えると、現時点で積極的に保有する意義は小さいと考える。インバウンドのテーマが物色される際にそのえたインバウンド銘柄として中長期的に保有しつつ、TOBにも備えるくらいか。

 

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