【TOB候補】サイバートラスト(親子上場)
2025.03.16投稿

今回は「サイバートラスト」についてです。2025年3月時点の情報をもとにしています。
会社概要
基本情報
- 商号: 株式会社サイバートラスト
- 設立: 2000年6月
- 所在地: 東京都港区六本木1-9-10 アークヒルズ仙石山森タワー
- 電話番号: 03-6234-3800(本社)
- 公式ホームページ: https://www.cybertrust.co.jp/
- 事業内容: LinuxOS、電子認証、IoTセキュリティ、サーバー監視ソリューションの開発・提供
- 上場市場: 東京証券取引所グロース市場(2021年4月上場)
- 親会社: SBテクノロジー株式会社(ソフトバンクグループ)
沿革
創業期(2000年-2010年代)
- 2000年6月: ミラクル・リナックス株式会社として東京都港区に設立。
- 2000年10月: MIRACLE LINUX v1.0をリリース。
- 2008年8月: Zabbix事業に参入し、サーバー監視サービスを提供開始。
- 2014年4月: ソフトバンク・テクノロジー(現SBテクノロジー)がミラクル・リナックスの株式を取得し、連結子会社化。
ミラクル・リナックスとサイバートラストの統合(2017年)
- 2017年10月: 旧サイバートラスト株式会社を吸収合併し、商号を「サイバートラスト株式会社」に変更。
- 2018年8月: 本社を東京都港区に移転。
現在(2020年代)
- 2021年4月: 東京証券取引所マザーズ市場に株式を上場。
- 2022年4月: 東京証券取引所の市場再編に伴い、グロース市場へ移行。
主力事業
- 認証・セキュリティ事業(売上構成比61%): サーバー証明書、電子署名、セキュアIoT基盤の提供。
- Linux/OSS(22%): MIRACLE LINUX、組込み向けOS「Embedded MIRACLE」などの開発・提供。
- IoT(17%): IoT機器向け開発・セキュリティ管理「EM+PLS」提供。
特徴と動向
- Linuxとセキュリティの融合: 企業向けLinuxOSと電子認証を組み合わせた高度なセキュリティ環境を提供。
- IoT市場の拡大: IoTデバイス向けのセキュアな運用管理サービスを強化。
- 金融・通信業向け本人確認: マイナンバーカードを活用した本人確認サービスを積極展開。
- 顧客基盤の拡大: 新規が7割を占めるLinuxOS延長サポート顧客にセキュリティ関連ソリューションを提案。
- SBテクノロジーとの連携: ソフトバンクグループのITインフラ事業と協業。
財務状況
- 従業員: 連結275名、単体233名(2024年3月時点)
- 平均年齢: 40.7歳
- 平均年収: 721万円
事業構成(2024年3月期):
- 認証・セキュリティ: 61%
- Linux/OSS: 22%
- IoT: 17%
比較会社
- GMOグローバルサインHD(3788)
- SRAホールディングス(3817)
- イー・ガーディアン(6050)
株式会社サイバートラストは、LinuxOSと電子認証を核とするセキュリティソリューション企業であり、IoTデバイス向けのセキュリティ管理やサーバー監視ソリューションを展開しています。金融・通信業向け本人確認市場の成長を取り込みながら、LinuxOS関連事業の拡大を推進。SBテクノロジーグループの一員として、さらなる成長を目指しています。
株主構成
親会社
- SBテクノロジー(ソフトバンクグループ・ソフトバンク)
大株主

株価指標
- 概要
- PER:20倍程度
- PBR:3倍程度
- 利回り:0.5~1%程度
- 時価総額:200億円程度
コーポレートガバナンス
支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
当社は、親会社等との取引を含めた関連当事者取引は、留意すべき必要性が高いことを認識しています。そのため、関連当事者取引の把握や新規取引の承認等の手続きに関して、規程および運用マニュアルを策定し、当該規程に基づき、取引の合理性(事業上の必要性)、取引条件の妥当性等(他の取引先と同等の条件であり、個別にその条件の妥当性が確認できる)について客観的かつ公正に判断して意思決定を行い、通常一般の取引条件により行うこととしております。個別取引のうち、関連当事者取引の申請がされる都度その取引内容が合理的であるか否かを確認するとともに、継続的な取引については管理本部での定期的確認を実施し、3か月に1度、関連当事者取引の内容をまとめて、取締役会に報告しております。加えて、関連当事者取引を監査役監査事項、内部監査における確認項目としており、これらにより取引の適正性を確保しております。
その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情
当社は、ソフトバンクグループ(株)、ソフトバンクグループジャパン(株)、ソフトバンク(株)およびSBテクノロジー(株)を当社の親会社としております。ソフトバンクグループ(株)は、「持株会社投資事業」、「ソフトバンク・ビジョン・ファンド事業」、「ソフトバンク事業」、「アーム事業」、「その他」などを展開しており、そのうち「ソフトバンク事業」を営むソフトバンク(株)は、国内通信事業を展開しております。また、ソフトバンクグループジャパン(株)は中間持株会社であります。SBテクノロジー(株)は、国内の法人及び官公庁を中心にICTサービス事業を展開しております。当社は、ソフトバンクグループ(株)を中心とした企業集団の中で、「認証・セキュリティサービス」「Linux/OSSサービス」「IoTサービス」の3つのサービスを展開し、「ヒト」「モノ」「コト」の正当性・完全性・真正性などを証明しデジタル社会の信頼を支えるトラストサービス事業を営んでおりますが、当社のPKI認証技術とLinuxコア技術は高い専門性を有しており、親会社等の企業グループが保有している技術要素とは大きく異なります。各社の技術・サービス自体が競合することはなく、当社の事業分野は固有の事業領域を有しており、親会社等と事業棲み分けができております。また、IoTなどに関する最新技術情報の共有や先進的な取り組みなど、親会社等の企業グループの関係性を活かすことが当社の成長戦略の実現可能性を高め、当社の企業価値の一層の向上につながるものと考えております。なお、親会社のうち、当社に与える影響が最も大きいと認められる親会社は、直接の親会社であるSBテクノロジー(株)となります。親会社は多数株主としての権利行使を通じて、当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあります。 しかしながら、当社は親会社と事業棲み分けができていること、当社の事業展開にあたって、当社が親会社に対し事前承認を必要とする事項はなく、当社独自の意思決定に基づき自ら経営責任を持ち事業経営を行っていることなどから、一定の独立性が確保されていること、また当社は取締役の中で独立社外取締役を3名選任しており、取締役会の議決権を保有する独立社外取締役が取締役会を監視する体制が整っていること、また独立社外監査役を含めた監査役による監査体制があり、経営監視機能として有効に機能しており一定の独立性が確保されていると考えておりますが、経営への監督を強化するための社外取締役選任の有効性や上場している企業グループの利益相反を防ぐための新しい指針等に関する近時の議論をふまえ、独立した社外取締役の比率を高めていく方針です。 なお、2024年6月12日に、SBテクノロジー(株)の支配株主(親会社)であるソフトバンク(株)によるSBテクノロジー(株)の普通株式及び新株予約権に対する公開買付けの結果に関して、2024年6月11日をもって公開買付期間を終了し、公開買付けが成立した旨SBテクノロジー(株)から発表がありました。
サイバートラストがTOBされる可能性についての考察
サイバートラスト(4498)は、SBテクノロジー(ソフトバンクグループ)傘下のセキュリティ・LinuxOS関連企業です。
現在の資本関係や事業環境を踏まえ、サイバートラストがTOB(株式公開買付)される可能性について分析します。
1. 現在の資本関係とSBテクノロジーの影響力
- サイバートラストは、2014年にSBテクノロジー(旧ソフトバンク・テクノロジー)が親会社となり、現在も同社の連結子会社。
- SBテクノロジーの支配下にあるものの、サイバートラストは独立した上場企業として運営されている。
- SBテクノロジーの持ち株比率が50%以上に達していない場合、完全支配のためには追加のTOBが必要。
2. SBテクノロジーがサイバートラストをTOBするメリット
(1) 経営の自由度向上
- サイバートラストが上場企業であることで、短期的な市場のプレッシャーを受ける。
- 完全子会社化すれば、SBテクノロジーの戦略と完全に統合し、経営判断を迅速化できる。
(2) シナジー効果の最大化
- SBテクノロジーのクラウド・セキュリティ事業と、サイバートラストの電子認証・IoTセキュリティ技術を完全統合することで、事業の成長を加速。
- ソフトバンクグループのITインフラ事業とサイバートラストの認証・LinuxOS技術を融合し、より高度なセキュリティソリューションを提供可能。
(3) 収益の最適化
- サイバートラストの利益をSBテクノロジーのグループ内に完全統合し、財務の最適化が可能。
- 連結決算上のメリットを活かし、株主還元の強化につなげる。
3. TOBの可能性を高める要因
要因 |
影響 |
---|---|
SBテクノロジーの成長戦略にサイバートラストの技術が不可欠か |
高い(LinuxOS・電子認証はDX・IoT市場で重要) |
SBテクノロジーがサイバートラストの経営統制を強化したいか |
中程度(現在も経営支配権は持っている) |
サイバートラストの上場維持がメリットか |
中程度(資金調達の自由度はあるが、SBテクノロジーがカバー可能) |
TOBの資金調達が容易か |
高い(ソフトバンクグループの資本力を活用可能) |
株主の反応 |
中程度(市場や少数株主の動向次第) |
4. TOBを実施しない可能性
- サイバートラストが上場企業であることで、市場からの資金調達が可能であり、SBテクノロジーにとってもメリットがある。
- すでにSBテクノロジーの子会社であり、経営の影響力が十分にあるため、完全子会社化の必要性が低い。
- TOBを実施すると、市場でのプレミアム価格を考慮する必要があり、SBテクノロジーにとってコストがかかる。
5. まとめ
SBテクノロジーがサイバートラストをTOBで完全子会社化する可能性は「中程度」
- サイバートラストの技術(電子認証・IoTセキュリティ)がSBテクノロジーの成長戦略にとって重要であるため、長期的にはTOBの可能性は十分にある。
- ただし、現在の資本関係でもSBテクノロジーはサイバートラストの経営に強い影響力を持っており、すぐにTOBを実施する必要性は低い。
- 今後のM&A戦略や業績推移を見ながら、TOBの実施判断がされる可能性がある。
投資戦略
- PBRや配当利回りからみると、割安すぎるという状況ではない
- ただし、株価のチャートは回復傾向にあることやサイバーセキュリティ銘柄としてトレンドになることもあると考えられ、監視をしておきたい銘柄といえる。
- 大株主のなかに日本の著名な個人投資家であり、特に成長株投資に精通している長期投資家として知られている五味大輔さんの名前があることも気になるところ。五味大輔さんの投資スタイルには以下のような特徴があります。
五味大輔氏の投資スタイル
特徴 内容 成長株投資 新興市場(グロース市場)に上場した企業を中心に投資 長期保有 短期売買ではなく、数年単位で企業の成長を見守る 大量保有 企業の10%以上を保有し、大株主となることもある 追加投資 好決算の企業には追加投資を行い、成長の波に乗る キャピタルゲイン重視 配当よりも株価の値上がり益を狙う M&A・TOBを意識 買収やTOBの可能性がある企業にも投資する 日本株中心 日本国内の成長企業への投資に特化 - 以上の状況から、TOBだけではなく、その他の思惑も考え、中長期的な株価上昇を目指して保有することもよい銘柄と思われる。
TOB用に証券会社をもう1つ作っておこう
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