今回は「日本BS放送」についてです。2024年時点の情報となります。
会社概要
基本情報
- 商号: 日本BS放送株式会社
- 設立: 1999年8月
- 所在地: 101-0062 東京都千代田区神田駿河台2-5
- 電話番号: 03-3518-1800
- URL: https://www.bs11.jp/
- 事業内容: BS11の無料放送を中心とした放送事業、出版事業
- 上場市場: 東京証券取引所スタンダード市場(2014年3月上場)
沿革
1990年代
- 1999年8月: 衛星放送の番組及び普及に関する調査研究を目的として、東京都豊島区高田に日本ビーエス放送企画株式会社を設立(資本金1億円)。
- 1999年12月: 日本ビーエス放送株式会社に商号を変更。郵政省(現 総務省)よりBSデジタルデータ放送の委託放送業務認定を受ける。
2000年代
- 2000年12月: BSデジタルデータ放送を開始。110度CSデジタルデータ放送の委託放送業務認定を受ける。
- 2001年6月: 本店を東京都渋谷区渋谷に移転。
- 2002年4月: 110度CSデジタルデータ放送を開始。
- 2004年: 総務省より110度CSデジタル放送の委託放送業務認定を受け、本店を東京都豊島区高田に移転。
- 2005年: 株式会社メガポート放送を吸収合併し、BSデジタルハイビジョン放送の委託放送業務認定を受ける。
- 2006年: 本店を東京都千代田区一ツ橋に移転。
- 2007年: 日本BS放送株式会社に商号を変更し、BSデジタルハイビジョン放送を開始。デジタルデータ放送委託放送業務を終了。
- 2008年3月: 本店を東京都千代田区神田駿河台に移転。
2010年代
- 2010年4月: 日本民間放送連盟(現 一般社団法人日本民間放送連盟)に入会。
- 2011年10月: 株式会社ビデオリサーチによる接触率調査に参加。
- 2014年3月: 東京証券取引所市場第二部に株式を上場。
- 2015年3月: 東京証券取引所市場第一部に指定。
- 2018年1月: 株式会社理論社及び株式会社国土社を連結子会社化。
2020年代
- 2022年4月: 東京証券取引所の市場区分見直しによりスタンダード市場へ移行。
事業概要
- 放送事業: 主力は無料BS放送「BS11」。アニメや韓国ドラマ、スポーツ番組を強みとする。
- 出版事業: 傘下に理論社や国土社を持ち、出版活動も展開。
事業構成(2024年8月期)
- 放送事業: 86%
- その他: 14%
特徴と動向
- 広告: テレビ広告収入の一部は通販スポットの低迷で停滞するが、タイム広告やアニメ配当収入が好調。
- 番組拡充: TVerへの対応やU-NEXTとのスポーツ番組コラボなど、新規顧客獲得に向けた積極的な取り組み。
- 看板番組: 笑福亭鶴瓶を司会とする歌番組を2024年10月にスタートし、旗艦番組に育成。
財務状況
- 総還元性向: 36.7%(過去3期平均30.8%)
- 四半期進捗率: 3期平均 —%
従業員
- 2024年8月時点:
- 連結: 132名
- 単体: 104名(平均年齢45.1歳、平均年収708万円)
比較会社
- TV東京ホールディングス(9413)
- 中部日本放送(9402)
- RKB毎日放送(9407)
日本BS放送株式会社は、無料BS放送「BS11」を軸に、多様なコンテンツと広告収入の拡充を図っています。今後もアニメや韓国ドラマを中心とした番組編成に注力し、新たな看板番組の育成やコラボ戦略を通じて視聴者層の拡大を目指します。
株主構成
親会社
大株主
株価指標
- 概要
- PER:10倍程度
- PBR:1倍以下
- 利回り:3.5%程度
- 時価総額:150億円程度
コーポレートガバナンス
支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
当社は、支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針として、支配株主等との取引条件等については、他の会社と取引を行う場合と同様に契約条件や市場価格を参考としてその妥当性を検証するとともに、社外取締役・社外監査役も参画した取締役会にて十分に審議した上で意思決定を行うこととし、支配株主以外の株主の利益を阻害しないことに留意しております。
その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情
【親会社からの独立性の確保について】当社は、株式会社ビックカメラを親会社として有しております。当社の事業展開にあたっては、親会社等の指示や承認に基づいてこれを行うのではなく、社外独立役員を含む取締役会を中心とした当社独自の意思決定に基づき業務執行をしております。親会社グループとの取引についても、管理部門における取引開始時のチェックだけでなく、重要な取引については取締役会の決議事項としており、その他の取引についても取締役会への定期的な報告を行っております。さらに、監査役監査や内部監査において当該取引内容について事後的にチェックを行うことにより、健全性及び適正性確保の仕組みを有しております。
日本BS放送がビックカメラの子会社になっている背景
日本BS放送(BS11)がビックカメラの子会社になっている理由は、戦略的な提携とメディアの有効活用を目的とした資本関係の強化によるものです。
1. ビックカメラの広告活用
ビックカメラは、自社商品の広告や販促活動の強化を目的として、メディア事業に注目しました。日本BS放送が運営する無料のBS放送局「BS11」は全国放送が可能で、多くの視聴者にリーチできる広告媒体として魅力的でした。
2. 経営基盤の安定化
日本BS放送にとって、ビックカメラの支援を受けることで、広告収入の安定化や経営基盤の強化が期待されました。これにより、放送事業の運営を円滑に行うことが可能になります。
3. シナジー効果の期待
ビックカメラの商品やサービスを、BS11を通じて視聴者に直接訴求できることは、両社にとって大きなメリットでした。特に、ビックカメラのターゲット顧客とBS11の視聴者層に親和性があるため、効果的なマーケティング活動が可能となりました。
4. 株式取得の経緯
ビックカメラは日本BS放送の株式を取得し、主要株主となった後、さらに保有比率を引き上げることで子会社化を進めました。この動きは、両社の利益拡大と事業シナジーの最大化を目的としています。
5. まとめ
ビックカメラが日本BS放送を子会社化した背景には、広告効果の最大化、メディア事業への進出、そして両社の事業シナジー効果を追求する狙いがあります。このような資本提携により、ビックカメラは広告戦略を強化し、日本BS放送は経営基盤の安定化を図ることができました。
TOBの可能性と投資戦略
- 放送の中立性・独立性を考えるとビックカメラの100%子会社になることはもともと想定されていない可能性もあり、TOBの可能性は高くないとも考えられる。
- ただし、毎期安定的な業績のもと、配当もそこそこあるので、株価が安い時に仕込んでおけば、高配当銘柄で、かつ、将来的なTOBといったあたりめ狙える可能性はあり。
- 最近トレンドになっているフジテレビの問題(フジ・メディア・ホールディングス)で、放送業界がどうなっていくかが不透明感がある点が気になるところではあるが、普段注目されていないなかで逆に注目されるきっかけにもなる気がしており、そのような未知数の期待も込めて保有しておくのも面白いかも