【TOB候補】さいか屋(親子上場)

【TOB候補】さいか屋(親子上場)

今回は「さいか屋」についてです。2024年時点の情報となります。

会社概要

基本情報

  • 商号: 株式会社さいか屋
  • 設立: 1950年11月
  • 所在地: 238-8501 神奈川県横須賀市大滝町1-13
  • 電話番号: 046-822-8040
  • URL: https://www.saikaya.co.jp/
  • 事業内容: 百貨店業、不動産賃貸業
  • 上場市場: 東京証券取引所スタンダード市場(1964年8月上場)

沿革

創業期(明治時代–1950年代)

  • 1872年(明治5年)10月: 神奈川県横須賀市元町で雑賀屋呉服店として創業。
  • 1950年11月: 横須賀市に株式会社大洋会館を設立。不動産賃貸業を開始。
  • 1955年8月: 商号を株式会社川崎さいか屋に変更。
  • 1956年4月: 本社を川崎市に移転し、百貨店業を開始。

成長期(1960年代–1990年代)

  • 1964年8月: 東京証券取引所市場第二部に上場。
  • 1967年11月: 町田市に町田店を新設。
  • 1969年: 商号を株式会社さいか屋に変更し、姉妹会社2社を合併。
  • 1976年10月: 町田店をショッピングビルに転換し、「ジョルナ」としてリニューアル。
  • 1990年3月: 横須賀店新館を開店し、3館体制を構築。

再編期(2000年代以降)

  • 2009年: 第三者割当増資を実施し、京浜急行電鉄株式会社が割当先に。
  • 2010年: 事業再生ADR手続が成立。債務株式化を伴う金融支援を受け、川崎店を譲渡。
  • 2015年: 川崎店を閉店し、サテライト型店舗として再開。
  • 2021年: 横須賀店を閉店後、「SAIKAYA YOKOSUKA SHOPPING PLAZA」として再開。
  • 2021年5月: 株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスの子会社となる。

主力事業

  • 百貨店業: 藤沢店と横須賀店を柱とし、地域密着型のショッピング施設を運営。
  • 不動産賃貸業: 店舗運営に関連する不動産事業。

事業構成(2024年8月期)

  • 衣料品: 22%
  • 身回品: 9%
  • 雑貨: 15%
  • 家庭用品: 2%
  • 食料品: 46%
  • 食堂・喫茶: 2%
  • その他: 4%

特徴と動向

  • 店舗展開: 主力の藤沢店と横須賀店では、地下食品スーパーや家電量販店を軸にテナント収入を拡大。
  • 飲食事業: 藤沢店8階にある飲食部分を取得し、新店舗導入を通じて活性化を図る。
  • シナジー: スーパーや薬局などを導入し、百貨店とのシナジーを追求。

財務状況

  • 総還元性向: 0.0%(過去3期平均)

従業員

  • 2024年8月時点:
    • 連結: 145名
    • 単体: 145名(平均年齢49.2歳、平均年収384万円)

比較会社

  • 大和(8247)
  • 井筒屋(8260)
  • 松屋(8237)

株式会社さいか屋は、藤沢店と横須賀店を中心に、地域密着型の百貨店業を展開しています。株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスの傘下で、食品スーパーや飲食部分の強化を通じて地域住民に愛される店舗づくりを目指しています。

株主構成

親会社

大株主

株価指標

  • 概要
  • PER:20倍程度
  • PBR:3倍程度
  • 利回り:-
  • 時価総額:20億円程度

コーポレートガバナンス

支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針

当社は、支配株主との間で取引が発生する場合には、取引の合理性と取引条件及び取引条件の決定方針の妥当性について、その決定が恣意的に行なわれることがないよう、取締役会において審議する方針とし取引の公平性、妥当性を確保することで、少数株主の権利を不当に害することのないよう、少数株主の保護に努めてまいります。

その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情

株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスは、当社の議決権の50.36%を保有する親会社であります。当社と株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスは2021年4月16日に資本業務提携契約を締結し、相互の企業価値向上を図っております。当社は資本業務提携契約に基づき、株式会社AFC-HDアムスライフサイエンスとの緊密な協力関係を保ちながら事業展開する方針ですが、同社との関係で事業活動上の制約はなく、同社からの独立性は十分に確保されているものと認識しております。AFC-HDグループの株式会社エーエフシーが当社川崎、横須賀、藤沢の各店において健康補助食品及び化粧品の販売をしております。当社は、支配株主との取引につきましては、個別交渉のうえ一般的な取引と同様に合理的な決定をおこない、少数株主に不利益を与えることがないよう、適切に対応してまいります。

さいか屋がAFC-HDの子会社になっている背景

株式会社AFC-HDアムスライフサイエンス(以下「AFC-HD」)が株式会社さいか屋と資本提携を行った背景については、以下のような要因が考えられます。

1. 相互補完的な事業連携

AFC-HDは健康食品の製造・販売を主力とする企業であり、全国的に店舗やオンラインを通じて商品を提供しています。一方で、さいか屋は神奈川県を中心とした地域密着型の百貨店業を営んでおり、食品スーパーや生活関連商品を含む幅広い商品展開が特徴です。

資本提携によって、以下のシナジーが期待されています:

  • AFC-HDの商品展開: さいか屋の店舗ネットワークを活用することで、健康食品や関連商品の新たな販売チャネルを獲得し、顧客基盤を拡大。
  • さいか屋の収益多様化: AFC-HDの商品取り扱いやイベントなどの協力を通じて、来店客数を増加させ、売上を向上。

2. さいか屋の経営再建と支援ニーズ

さいか屋は近年、競争激化や消費動向の変化により百貨店事業の収益性が低下し、経営再建が課題となっていました。2010年には事業再生ADR手続を通じた再建を行いましたが、引き続き収益性の改善が求められていました。

AFC-HDの資本提携は、さいか屋が次のような経営課題を解決するための支援となっています:

  • 財務基盤の強化: 資本注入により資金繰りが安定し、再建計画の実行が可能に。
  • 商品ラインナップの拡充: 健康食品をはじめとするAFC-HDの商品を取り扱うことで、顧客層を拡大し収益を多様化。

3. 地域経済活性化の目指し

さいか屋は創業150年を超える歴史を持つ老舗であり、地域住民に親しまれる百貨店です。一方、AFC-HDも地域密着型の事業を展開しており、地元経済の活性化に寄与する企業姿勢が共通しています。

資本提携を通じて、以下の効果が期待されています:

  • 地域社会への貢献: 地域特産品や健康志向の商品を取り扱い、地域住民のライフスタイルに寄り添った店舗運営。
  • 持続可能な経営: 両社の強みを生かし、地域経済を支える基盤を強化。

4. 将来的な事業拡大の視野

AFC-HDは、健康食品事業を中核に多角化を進めています。さいか屋との提携は、新たな販路の拡大や既存店舗の活性化を通じて、事業領域の拡大を目指す戦略の一環と考えられます。特に、地域密着型の百貨店との協力は、新たな顧客層へのアプローチを可能にします。

まとめ

AFC-HDによるさいか屋との資本提携は、双方の強みを生かした相互補完的な関係の構築と、地域経済の発展を目指す戦略的な取り組みです。この提携を通じて、両社が新たな収益機会を創出し、競争力を強化することが期待されています。

TOBの可能性と投資戦略

  • さいか屋がAFC-HDアムスライフサイエンスの子会社となった背景を考えると、最終的にはTOBをして100%子会社にしていく可能性も大いにあると考えられる。さいか屋の状況を考えて、上場していることのメリットがどこまであるかを見極めながらの判断があると思われる。
  • ただし、経営再建中ということもあり、無配の状況が続き、かつ、割安感はそこまでない状況のなかでTOB期待で保有するには少し魅力が乏しいと思われる。仮にTOBがあっても、プレミアムがあまりつかない可能性も考えられる。
  • 唯一の保有材料としては、小泉進次郎銘柄として取り上げられることもあるようで、総裁選の流れが今後出てくるときには急騰することもありえるため、時期を見て1つのポートフォリオとして保有しておくのもありかも

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA