新NISAで税金は本当にかからない?配当金・売却益が非課税になる条件を徹底解説

新NISAで税金は本当にかからない?配当金・売却益が非課税になる条件を徹底解説
  • 新NISAで買った株の配当金にもかかわらず税金が引かれる理由は?
  • 配当金を非課税で受け取るための設定方法がわからない
  • 非課税メリットを最大限に生かして効率良く資産を増やしたい

新NISAを活用した配当金投資を始める際、設定方法が間違っていると非課税メリットを受けられません。この記事では新NISAの配当金を非課税で受け取るための設定方法や税金がかかるケース、運用術などについて詳しく解説します。

記事を読めば配当金を非課税で受け取るための正しい設定方法を理解でき、新NISAの効果的な資産形成を目指せます。新NISAで配当金を非課税にするには「株式数比例配分方式」の設定が必要です。株式数比例配分方式に設定しないと課税されてしまうため、自身の証券口座を確認しましょう。

新NISAと税金の基本知識

新NISAと税金の基本知識について、以下の2つの項目を詳しく解説します。

  • 新NISAの配当金の非課税枠
  • 配当金が非課税になる条件

新NISAの配当金の非課税枠

新NISAで得られる配当金は、非課税の枠内であれば税金がかからず全額を受け取れます。生涯にわたって非課税で投資できる上限額として、1,800万円の「非課税保有限度額」が新NISAには設定されています。新NISAの非課税枠の仕組みは、以下のとおりです。

  • 商品を買ったときの金額(元本)で管理される
  • 配当金を受け取ったり商品の価値が上がったりしても非課税枠は減らない
  • 商品を売却した場合、購入時の金額分の枠が翌年に復活して再利用できる

新NISAの非課税枠の仕組みを最大限に活用して、効率的に資産形成を進めましょう。

配当金が非課税になる条件

新NISAで受け取る配当金が非課税になる条件は、以下のとおりです。

  • 新NISA口座で購入した資産からの配当金
  • 「株式数比例配分方式」での受け取り
  • 非課税保有限度額(1,800万円)の範囲内
  • 国内で課税される資産からの配当金

新NISAの配当金を非課税で受け取るには、条件をすべて満たす必要があります。条件を1つでも満たしていない場合、通常の課税対象になるため注意が必要です。新NISAの非課税保有限度額を超えた金額や、外国株などからの配当金は非課税の対象外となります。

新NISAの配当金を非課税で受け取る方法

新NISAの配当金を非課税で受け取るための方法として、以下の2つの項目を詳しく解説します。

  • 配当金の受取方式の設定方法
  • 「株式数比例配分方式」に設定変更する手順

配当金の受取方式の設定方法

新NISA口座で受け取る配当金を非課税にするには、受取方式を「株式数比例配分方式」に設定する必要があります。株式数比例配分方式に設定できていないと、新NISA口座で得た配当金に約20%の税金がかかってしまいます。

一度課税された配当金は後から確定申告をしても非課税にできないため、新NISAを活用する際は事前の設定を確認しましょう。「登録配当金受領口座方式」や「配当金領収証方式」が設定されている場合は、新NISAの非課税メリットが適用されません。

新NISAで配当金を受け取る際は、銘柄の権利確定日までに必ず設定を確認しておきましょう。

「株式数比例配分方式」に設定変更する手順

新NISAの設定変更は証券会社のウェブサイトやアプリから簡単にできます。新NISAで配当金の受取方式を「株式数比例配分方式」に変更する手順は、以下のとおりです。

  1. 証券会社のウェブサイトまたはアプリにログインする
  2. メニューから配当金受取方式の設定ページを探す
  3. 受取方式で「株式数比例配分方式」を選択する
  4. 変更内容を確認して申請を完了する

証券会社によってメニューの表示名が異なる場合がありますが、新NISAの設定変更の手順は基本的に同じです。新NISAの設定変更は数分で終わるため、忘れないうちに確認して設定を済ませましょう。

新NISAで配当金に税金がかかるケース

新NISAで配当金に税金がかかるケースは、以下のとおりです。

  • 外国株や海外ETFからの配当金
  • 非課税期間終了後の課税口座への移管

外国株や海外ETFからの配当金

新NISAでは日本の税金のみが非課税となり、投資先の国では課税されます。アメリカの株式やETFに投資した場合、配当金に対して現地で10%の税金が源泉徴収されます。アメリカでの源泉徴収税は新NISA口座で投資していても引かれてしまうため、配当金が全額手元に残るわけではありません。

課税口座であれば「外国税額控除」を利用して、二重課税の一部を取り戻すための確定申告が可能です。しかし、新NISA口座では外国税額控除が適用されないため、外国で引かれた税金は戻ってきません。

非課税期間終了後の課税口座への移管

旧NISAの非課税期間が終了すると保有商品は課税口座へ移され、配当金や分配金に税金がかかります。旧NISA口座での非課税の特典が期間終了とともに失われ、通常の投資と同じ扱いになるためです。保有商品が課税口座に移された後は、配当金や売却益に対して約20%の税金を納める必要があります。

保有商品が課税口座に移されたときの取得価格の扱いには注意が必要です。旧NISAで購入したときの価格ではなく、課税口座へ移管された時点の価格(時価)が新しい取得価格となります。旧NISAで100万円で購入した株が120万円に値上がりした場合、課税口座では取得価格が120万円として扱われます。

新NISAの確定申告のルール

新NISA口座の配当金は非課税のため確定申告は基本的に不要です。ただし、課税口座と併用している場合は、確定申告時に新NISA口座と課税口座を明確に区別する必要があります。新NISA口座に関する確定申告のルールは以下のとおりです。

損益通算不可
新NISA口座の損失と課税口座の利益を合算して税金を減らすことはできません。
繰越控除不可
新NISA口座で出た損失を翌年以降に持ち越して将来の利益と相殺することは不可能です。
配当控除・外国税額控除の対象外
新NISA口座の配当金は非課税のため、配当控除や外国税額控除の適用対象外となります。
利益の申告不要
新NISA口座で得た利益は非課税のため、確定申告書への記入は不要です。

新NISA口座は税制上のメリットが大きい一方で、課税口座とは別に管理されます。課税口座で確定申告をする際には、新NISA口座の取引と混同しないよう注意しましょう。

新NISAの非課税メリットを生かした運用術

新NISAの非課税メリットを生かした運用術は以下のとおりです。

  • 税金を意識した売却タイミングを見極める
  • 利確と再投資で枠を有効活用する
  • 課税口座とNISA口座の併用でリスク分散する

税金を意識した売却タイミングを見極める

新NISA口座では利益が出ている銘柄は積極的に売却し、損失が出ている銘柄は慎重に判断することが基本戦略です。課税口座では利益に約20%の税金がかかるため、新NISA口座で売却する方が税制上有利です。

新NISA口座で10万円の利益が出た株を売却すると全額手元に残りますが、課税口座では約2万円の税金が引かれます。一方、損失が出ている銘柄を新NISA口座で売却する際は慎重に判断しましょう。課税口座であれば損失を他の利益と相殺できるため、税制上有利になる場合があります。

利確と再投資で枠を有効活用する

新NISAでは利確(利益確定)と再投資を繰り返すことで非課税枠の効率的な活用が可能です。含み益が出た銘柄を売却して別の有望銘柄へ再投資すれば、非課税のまま複利効果を高められます。新NISA口座では売却した分の非課税枠が翌年に復活するため、資金を何度も循環させて運用できます。

新NISAで再投資を行う際のポイントは、以下のとおりです。

  • 利確の目安をあらかじめ決めておく
  • 売却後の再投資先をリストアップしておく
  • 市場環境の変化に合わせて銘柄を入れ替える
  • 手数料や信託報酬などのコストを考慮する

新NISAの利確と再投資を活用した運用は、以下の流れで進めます。

  1. 利益確定:含み益が一定割合に達したら非課税で利益を確定する
  2. 再投資:売却資金を別の成長銘柄へ再投資して枠を有効に活用する
  3. 見直し:定期的にポートフォリオを見直してリスク分散と成長機会の両立を図る

「利確→再投資→見直し」のサイクルを繰り返すことで、新NISAの非課税枠を活用した効率的な資産形成が可能です。

課税口座とNISA口座の併用でリスク分散する

新NISA口座と課税口座には異なる特徴があるため、目的に応じて使い分けることが重要です。新NISA口座では非課税メリットを生かし、長期・安定運用で資産を育てましょう。課税口座では短期・ハイリスク運用により、損失が出ても他の利益と相殺して税負担を抑えられます。

新NISA口座の非課税保有限度額1,800万円を使い切った後も、課税口座での投資を継続できます。新NISA口座と課税口座を使い分けにより、税制メリットを生かしつつリスクを分散した資産形成が可能です。

新NISAと税金に関するよくある質問

新NISAと税金に関するよくある質問は、以下のとおりです。

  • 新NISAで非課税となる上限額は?
  • 新NISAの配当金から税金が引かれるのはなぜ?
  • 新NISAの配当金はいつ受け取れる?

新NISAで非課税となる上限額は?

新NISAで一生涯にわたって非課税で投資できる上限額(非課税保有限度額)は1,800万円です。新NISAの年間投資枠は最大360万円で、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円を併用できます。上限額の1,800万のうち、新NISAの成長投資枠で利用できる金額は最大1,200万円です。

新NISAでつみたて投資枠のみを使う場合は、上限額の1,800万円を全額利用できます。新NISA口座で保有している商品を売却すると、購入時の金額分の非課税枠が翌年以降に復活します。売却した分の枠が復活する仕組みにより、新NISAの上限額1,800万円は繰り返しの利用が可能です。

新NISAの配当金から税金が引かれるのはなぜ?

新NISAの配当金から税金が引かれる原因は「配当金の受け取り方」と「投資している商品の種類」にあります。新NISA口座で配当金を非課税で受け取るには、証券口座内で自動的に受け取る「株式数比例配分方式」の設定が必要です。

銀行口座への振り込みや郵便局での現金受け取りを設定している場合、企業から配当金が直接支払われるため課税対象となります。複数の証券会社に口座がある場合は、1社で設定を変更すると他の口座も自動で同じ設定に統一されるため注意が必要です。

外国株への投資も新NISAで税金が引かれる原因の一つです。新NISAは日本の税金が非課税になる制度のため、外国の税金までは非課税にできません。米国株であればアメリカで約10%の税金が引かれた後の金額が配当金として支払われます。
» 株の配当金にかかる税金をわかりやすく解説!

新NISAの配当金はいつ受け取れる?

新NISAで投資した株の配当金がもらえる時期は、投資先の会社によって異なります。新NISAの配当金は、すべての会社から同じ日に一斉に支払われるわけではありません。配当金をいつ支払うかは、それぞれの会社が独自に決めています。

多くの日本の会社では、業績を発表する「決算」が終わってから2〜3か月後に新NISAの配当金を支払うことが一般的です。新NISAの配当金をもらうためには、会社が定めた「権利確定日」に株主でいる必要があります。新NISAの配当金の支払い時期や権利確定日などの詳しい情報は、各会社のIR情報や証券会社の銘柄情報ページで確認できます。
» 株の配当金はいつもらえる?基礎知識と受け取りの条件

新NISAと税金について理解して非課税枠を最大限に活用しよう

新NISAでは通常約20%かかる投資利益の税金が非課税になります。ただし、配当金の受け取り方や投資商品によっては、新NISAでも課税される場合があります。新NISAの配当金を非課税で受け取るには「株式数比例配分方式」の設定が必要です。外国株への投資は投資先の国で税金がかかるため注意しましょう。

新NISAを活用する際は非課税保有限度額の1,800万円を意識し、売却による枠の復活を利用してください。売却で復活した枠を再投資に活用すれば、利益確定と再投資を繰り返しながら新NISAで効率的に資産を増やせます。

新NISAの仕組みと非課税メリットを受けるための正しい設定方法を十分に理解し、効果的な資産形成を目指しましょう。

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