今回は「プラネット」についてです。2024年時点の情報となります。
会社概要
基本情報
- 商号: 株式会社プラネット
- 設立: 1985年8月
- 所在地: 105-0013 東京都港区浜松町1-31 文化放送メディアプラスビル
- 電話番号: 03-5962-0811
- URL: https://www.planet-van.co.jp/
- 事業内容: EDI(電子データ交換)サービスの提供、商品データベースサービス、物流支援サービス
- 上場市場: 東京証券取引所スタンダード市場(2004年2月上場)
沿革
1980年代
- 1985年8月: メーカー・卸間の電子データ通信・交換(EDI)仲介を目的に、日用雑貨業界8社とインテックの出資で設立。
- 1986年: 仕入・販売データの稼働を開始。
- 1987年: 日経流通新聞賞や日本マーケティング協会の「流通情報システム優秀賞」を受賞。
1990年代
- 1995年: 「トータルEDI概要書」を発行し、「100%オンライン受発注構想」を発表。
- 1998年: 取引先データベースサービスおよび商品データベースサービスを開始。
2000年代
- 2004年: JASDAQ証券取引所に株式を上場し、ISMS認証を取得。
- 2005年: EDIユーザーが1,000社を突破。インターネットEDIサービスを稼働開始。
- 2007年: 情報セキュリティマネジメントシステム(ISO27001)認証を取得。
2010年代
- 2010年3月: 本社を現在地に移転。
- 2013年: Web受注–仕入通信サービス「MITEOS」を稼働開始。
- 2016年: 中国で越境流通プラットフォーム事業を行う合弁会社設立に合意。
- 2018年: 第7世代のネットワーク基盤に更新。
2020年代
- 2020年: ロジスティクスEDIの出荷予定データを稼働開始。
- 2023年: POSデータクレンジングサービスを稼働開始。
主力事業
- EDIサービス: メーカー・卸間の受発注データ交換をサポート。
- 商品データベースサービス: 商品情報を統一的に管理し、取引先間で共有化を促進。
- 物流支援: 物流事業者が有する現場情報を活用し、輸配送の効率化を図る新サービスを展開。
事業構成(2024年7月期)
- EDI: 93%
- データベース: 7%
特徴と動向
- 業界特化: 日用品雑貨、化粧品業界に特化したEDIソリューションを提供。
- 新サービス: 物流EDIの現場情報付加サービスやデータクレンジングのトライアル利用を進める。
- セキュリティ: ISO27001認証取得など、情報セキュリティに注力。
財務状況
- 総還元性向: 62.2%(過去3期平均59.6%)
- 四半期進捗率: 3期平均25.5%、今期26.1%(+0.6pt)
従業員
- 2024年7月時点: 47名(平均年齢47.6歳、平均年収979万円)
比較会社
- データアプリケーション(3848)
- サイバーリンクス(3683)
- インフォマート(2492)
株式会社プラネットは、EDIサービスを通じて業界内でのデータ交換効率化を推進し、商品データベースや物流支援サービスを展開することで、流通業界全体の高度化を支援しています。
株主構成
親会社
大株主
※TIS(のグループ会社の㈱インテック)の議決権の被所有割合には、退職給付信託口を含んでいる
株価指標
- 概要
- PER:25倍程度
- PBR:1.5倍程度
- 利回り:3.5%程度
- 時価総額:80億円程度
コーポレートガバナンス
支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
ー(TIS、ライオンの連結子会社ではなく、影響力のある関連会社であるため)
その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情
ー(TIS、ライオンの連結子会社ではなく、影響力のある関連会社であるため)
プラネットがライオンやTISの関連会社である背景
1. 設立経緯
- プラネットは、1985年8月にライオン株式会社やユニ・チャーム株式会社などの日用雑貨・化粧品業界の大手メーカー8社と、ITサービスプロバイダーであるインテック(現:TISインテックグループ)が出資して設立されました。
- この設立目的は、業界内のメーカーと卸売業者間の電子データ交換(EDI)を効率化し、業界全体のサプライチェーンを高度化することにありました。
2. ライオン株式会社の関与
- プラネットの主要株主であるライオンは、設立当初からその事業を支援しており、同社が日用品業界のEDI標準化を推進する役割を担いました。
- 現在も、プラネットの主要ユーザーの一つとして、商品データ交換や受発注業務の効率化にプラネットのサービスを活用しています。
- また、日用品業界全体におけるプラネットのEDIサービスの普及を後押しする重要な役割を果たしています。
3. TIS(インテック)の役割
- TISは、プラネットの設立時においてITインフラや技術基盤を提供する主要なパートナーとして参画しました。
- EDIサービスや商品データベースサービスの構築に必要な技術サポートを行い、プラネットのシステム開発や運用を支えています。
- これにより、プラネットは最新のIT技術を取り入れたサービスを提供し、業界全体の効率化に貢献しています。
4. 業界横断的な取り組み
- プラネットは設立当初から、特定の企業グループに依存せず、業界全体の標準化と効率化を目的とした事業を展開しています。そのため、主要株主であるライオンや技術提供元であるTISとの関係は、業界全体へのサービス提供を基盤としたものです。
- このような関係性が、プラネットの事業モデルにおける信頼性や中立性を確保する基盤となっています。
5. まとめ
プラネットがライオンやTISの関連会社である背景には、設立時からの出資・支援を通じて、業界全体のEDI効率化を目指すという共通の目的があります。ライオンは業界標準化の推進役、TISは技術基盤の提供者として、それぞれ重要な役割を果たしており、プラネットの事業成長を支えています。この協力体制により、プラネットはEDIサービスのリーディングカンパニーとしての地位を確立しています。
TOBの可能性と投資戦略
- ライオン、TISの関連会社であることからTOBの可能性も考えたが、設立当初から一定の資本関係のなかで中立的な立場をとってきたプラネット社の状況を考えるとTOBの可能性は高くないと考える。
- ただし、いろいろな企業との連携があり、安定感のある会社という印象で、成長余地もあると考える。配当方針についても安定的な配当の継続、配当性向50パーセント以上の維持を目標に掲げており、21期連続の増配という状況なので、安定配当銘柄として保有する意義は高いと考える。