【初心者向け】株の配当金のもらい方!税金対策なども徹底解説

【初心者向け】株の配当金のもらい方!税金対策なども徹底解説

配当金の仕組みや受取方法、税金の扱いなどがわからない人は多くいます。この記事では、株の配当金のもらい方について、基礎知識や具体的な方法、税金の扱い、注意点を詳しく解説します。記事を読めば、配当金に関する疑問が解消され、効率的に配当金を受け取る方法を知ることが可能です。

配当金を受け取る主な方法は、株式数比例配分方式や、登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式、配当金領収証方式です。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選択しましょう。

株の配当金のもらい方に関する基礎知識

株の配当金のもらい方に関する基礎知識を、以下の項目に分けて解説します。

  • 配当金の基本的な仕組み
  • 配当金がもらえる株の特徴

» 自分に合った戦略を見つける!株式投資の始め方と注意すべきリスク

配当金の基本的な仕組み

配当金は、企業が株主に利益の一部を還元する仕組みです。配当金の金額は、保有する株式数に比例して決まり、多くの株を持っている人ほど、多くの配当金を受け取ることが可能です。配当金をもらうためには、配当権利確定日に株主名簿に記載されている必要があります。

配当権利確定日は、企業によって異なるので注意が必要です。一般的に、配当金は年に2回支払われ、中間配当と期末配当と呼ばれます。ただし、企業の業績や経営方針によって、配当金の支払回数や金額は変動します。配当金は原則として源泉徴収の対象となり、税金が差し引かれた後の金額が、実際に受け取る配当金です。
» 【初心者向け】株式市場の仕組みを解説

配当金がもらえる株の特徴

配当金がもらえる株の特徴には、いくつかの共通点があります。安定した収益性を持つ企業の株式が代表的です。長期的に安定した利益を上げているため、定期的に配当金を支払う能力があります。高配当利回りを提供する株式も魅力的です。長期的に配当を継続している企業の株式も注目されます。

景気の変動にかかわらず、一定の配当を維持しているのが特徴です。財務健全性が高い企業の株式も重要です。財務健全性が高い企業の特徴として、十分なキャッシュフローの保有が挙げられます。負債比率が低く、自己資本比率が高いことも特徴です。成熟産業に属する企業の株式も配当金が期待できます。

安定した市場シェアを持ち、急激な成長は見込めなくても、着実な利益を上げられるためです。配当性向が適度な水準の企業の株式も魅力です。配当性向とは、純利益に対する配当金の割合を意味します。数値が高すぎると将来の成長に必要な投資が行えなくなる可能性があるので、適度な水準を保っている企業を選びましょう。
» 株の配当に関する基礎知識から高配当銘柄の選び方まで解説

株の配当金のもらい方

株の配当金の受取方法は以下のとおりです。

  • 株式数比例配分方式
  • 登録配当金受領口座方式
  • 個別銘柄指定方式
  • 配当金領収証方式

株式数比例配分方式

株式数比例配分方式では、証券会社の口座に登録された株式数に応じて配当金が自動的に振り込まれます。配当金の受け取りに関する手続きが不要である点がメリットです。複数の証券会社で株式を保有している場合でも、各口座に配当金が振り込まれます。権利確定日から1〜1.5か月程度で入金されるのが一般的です。

特定口座での株式管理と相性が良く、配当金額が少額の場合でも受け取れます。株主優待も同様に各証券口座で受け取れるため、便利な方式です。個人情報を証券会社以外に提供する必要がないので、プライバシーの観点からも安心です。配当金の再投資がしやすいといったメリットもあります。

ただし、源泉徴収税の計算や納付は証券会社が行うため、確定申告の際に注意が必要です。

登録配当金受領口座方式

登録配当金受領口座方式では、証券会社に指定した銀行口座へ配当金が自動的に振り込まれます。複数の銘柄からの配当金をまとめて受け取れるのが特徴で、入金確認も簡単です。国内株式だけでなく、海外株式の配当金にも対応しているため、幅広い投資に対応できる点も魅力です。

ただし、銀行口座を変更する場合は、証券会社への連絡が必要になります。配当金の再投資は手動での操作が必要です。銀行口座の維持費用がかかる可能性もあるため、注意が必要です。配当金の入金日が各企業の支払日と異なる場合もあります。複数の証券会社を利用している場合は、各社で個別に設定してください。

証券口座と銀行口座が別なので、資金移動に時間がかかる点もデメリットです。

個別銘柄指定方式

個別銘柄指定方式を使うと、銘柄ごとに異なる受取方法を設定できるため、配当金の管理がしやすくなります。特定の銘柄の配当金だけを集中して管理したい場合にも効果的です。配当金の受取状況を把握しやすくなる点もメリットです。銘柄の整理や管理がしやすくなるため、投資ポートフォリオの管理にも役立ちます。

ただし、複数の証券会社で口座を持っている場合は、各証券会社に個別に指定する必要があるため注意してください。証券会社を変更した際には、再設定が必要になる場合もあります。銘柄数が多くなると手続きが煩雑になる可能性があるので、自分の投資スタイルに合わせて検討しましょう。

配当金領収証方式

配当金領収証方式では、株主の住所に配当金領収証が郵送されます。現代ではあまり推奨されていない理由は、証券会社から郵送される配当金領収証を受け取るまでに時間がかかるためです。配当金領収証自体を紛失してしまうリスクもあり、再発行手続きが必要になる場合もあります。

郵便為替や小切手で配当金を受け取るため、郵便局や銀行で換金する手間がかかる点もデメリットです。換金手数料が発生する可能性もあります。

株の配当金のもらい方を変更する方法

株の配当金のもらい方を変更する方法を、ネット証券の場合と銀行窓口の場合に分けて解説します。

ネット証券の場合

ネット証券の場合は、利用している証券会社のウェブサイトにログインしましょう。口座情報や設定のページを開き、配当金受取方法の設定項目を探します。見つかったら、希望の受取方法を選択してください。多くの投資家が選ぶのは株式数比例配分方式です。

複数の証券会社で株を持っている場合でも、各社で保有している株数に応じて配当金を受け取れます。受取方法の選択後は、配当金を振り込む銀行口座の情報など、必要な情報を入力しましょう。入力が終わったら、変更内容を確認して送信してください。設定変更の手続きが完了すると、通知が届きます。

実際に新しい受取方法が適用されるのは次回の配当からになります。設定の反映には数日かかる場合があるので、余裕を持って手続きを行うのがおすすめです。複数の証券会社で口座を持っている場合は、それぞれの口座で同じように設定を変更する必要があるので注意しましょう。

銀行窓口の場合

銀行窓口で配当金のもらい方を変更する場合は、運転免許証や健康保険証などの本人確認書類が必要です。配当金計算書や株式関係書類など、株主番号がわかる書類も持参してください。窓口で所定の申請書に必要事項を記入し、配当金の振込先となる銀行口座情報を提示することで、手続きが完了します。

手続きが完了したら、確認書類を受け取ります。変更が反映されるまでに数週間かかる場合があるので注意してください。複数の銘柄がある場合は個別に手続きが必要です。銀行によって受付時間や必要書類が異なる可能性があるため、事前に確認しましょう。

株の配当金をもらう際にかかる税金

株の配当金をもらう際にかかる税金を、以下の項目に分けて解説します。

  • 国内株式の場合
  • 外国株式の場合
  • NISA口座の場合

» 株の配当金にかかる税金をわかりやすく解説!

国内株式の場合

国内株式の配当金は、原則として20.315%の源泉徴収税が課されます。税金の内訳は以下のとおりです。

  • 所得税:15%
  • 復興特別所得税:0.315%
  • 住民税:5%

多くの場合、確定申告不要の特例が適用されるので、手続きの手間を省けます。状況に応じて、総合課税か申告分離課税を選択することも可能です。申告分離課税を選んだ場合、他の所得とは別に20%の税率で課税され、税金の計算がシンプルになるのがメリットです。

配当控除制度を利用すると、税負担が軽減される可能性があります。ただし、大口株主(発行済株式総数の3%以上保有)の場合は総合課税のみとなるので注意が必要です。

外国株式の場合

外国株式の配当金には、国内株式とは異なる特有の仕組みがあります。源泉徴収税率は一般的に15~30%ですが、二重課税を避けるため、租税条約に基づいて軽減税率が適用される場合もあります。通常、外貨で支払われるため、為替レートの変動が配当金の実質的な価値に影響を与えるのが特徴です。

配当金の受取方法は証券会社によって異なるのが特徴です。一部の証券会社では、外国株式の配当金を自動的に再投資するオプションを提供しています。利用すると、配当金を使って同じ株式を追加購入できます。配当金の入金タイミングは、国内株式と比べて遅れる傾向です。

入金日を正確に把握したい場合は、各証券会社のウェブサイトで確認してください。

NISA口座の場合

NISA口座で株式投資を行う場合、配当金に関する大きなメリットがあります。口座内の株式からの配当金は非課税となるので、通常の口座よりも多くの利益を得られる可能性があります。非課税期間は最長5年間続くため、長期的な投資戦略を立てやすい点もメリットです。

配当金の再投資も非課税枠内で可能なので、複利効果を最大限に活用できます。NISA口座の成長投資枠の非課税枠は、年間240万円までと決められています。年間240万円までの範囲内で投資を行えば、配当金に対する税金を気にする必要はありません。

配当金は自動的にNISA口座に入金されるので、手続きの手間が省ける点も魅力です。確定申告が不要なので、税務手続きの負担も軽減されます。

株の配当金をもらう際の注意点

株の配当金をもらう際の注意点は以下のとおりです。

  • 配当金の支払いスケジュールの把握
  • 住所変更や口座移転時の手続き

配当金の支払いスケジュールの把握

多くの企業では、年に1~2回の頻度で配当金を支払います。権利確定日は配当を受け取る権利が確定する日、配当金支払開始日は実際に配当金が支払われ始める日です。権利確定日から2〜3か月後に配当金の支払いが始まるのが通例ですが、企業によって異なるので注意が必要です。

企業のIRサイトや証券会社のウェブサイトで、配当金の支払いスケジュールを確認しましょう。
» 株の配当金はいつもらえる?基礎知識と受け取りの条件

住所変更や口座移転時の手続き

住所変更や口座移転時の手続きは、配当金を確実に受け取るために重要です。配当金の振込先として利用している金融機関に対し、新しい口座情報を通知します。証券保管振替機構を利用している場合は、株式等振替制度の変更手続きを行ってください。手続きは、配当金支払日の1〜2か月前までに完了させるのがおすすめです。

余裕を持って対応すると、配当金の受け取りに支障が出るのを防げます。口座移転の場合は、新旧両方の証券会社に連絡し、必要書類を提出しましょう。

株の配当金のもらい方に関するよくある質問

株の配当金のもらい方に関するよくある質問は以下のとおりです。

  • 配当金が入金されないのはなぜ?
  • 特定口座でも配当金はもらえる?
  • もらった配当金を確認する方法は?
  • もらった配当金は再投資できる?

配当金が入金されないのはなぜ?

配当金が入金されない主な原因は、以下のとおりです。

  • 権利確定日に株を保有していない
  • 配当金の支払日前に株を売却した
  • 受取方法の設定にミスがある
  • 振込先口座情報に誤りがある

配当金の振込手続きにエラーが発生したり、振込先口座が解約されていたりすると、入金されない可能性があります。住所変更などの手続きが完了していないため、配当金が正しく送付されない可能性も考慮しましょう。株式分割や併合により配当金額が変更されたり、配当金の支払いが中止または延期されたりする場合もあります。

特定口座でも配当金はもらえる?

特定口座で株を保有していても、配当金は指定した銀行口座などに振り込まれます。特定口座内で配当金を自動的に再投資することも可能です。ただし、通常、配当金に対する課税は特定口座とは別に行われます。特定口座で株を保有していても、配当金の税金については別途確定申告が必要になる場合があるため注意が必要です。

もらった配当金を確認する方法は?

もらった配当金を確認する最も簡単な方法は、証券会社のウェブサイトや取引アプリにログインして確認する方法です。証券会社からの入金通知メールを確認したり、登録している銀行口座の入出金明細を確認したりする方法もあります。

証券会社から郵送または電子交付される配当金計算書の確認でも、配当金の金額や支払日などの把握が可能です。証券会社から定期的に送付される取引報告書にも、配当金の受け取りに関する記載があります。確認できない場合は、証券会社のカスタマーサポートに問い合わせましょう。

もらった配当金は再投資できる?

もらった配当金は再投資できます。自動再投資は、受け取った配当金が自動的に同じ株式や投資信託の購入に使われる方法です。手間がかからず、継続的に投資できます。手動再投資は、投資家自身が配当金を使って株式を購入する方法です。好みの銘柄や、値下がりしている株式を購入するなど、柔軟な投資戦略を立てられます。

再投資には複利効果が期待できるのがメリットです。ただし、再投資をする前に、税金がかかること、再投資の際に手数料が発生する場合があることを考慮する必要があります。自身の投資戦略と再投資の目的が整合しているか、長期的な視点で判断することも重要です。市場動向も考慮しながら再投資を行いましょう。

一部の配当金のみを再投資し、残りは別の用途に使う選択肢もあります。

まとめ

配当金は、企業が株主に利益の一部を還元する仕組みです。配当金を受け取るためには、権利確定日に株式を保有している必要があります。主な受取方法は、株式数比例配分方式や登録配当金受領口座方式、個別銘柄指定方式、配当金受領証方式の4種類です。

自身の投資スタイルや、保有している銘柄数、管理のしやすさなどを考慮して、最適な受取方法を選択することが重要です。多くの証券会社では、オンラインで簡単に受取方法を変更できます。配当金には税金がかかること、NISA口座の利用で非課税にできることも覚えておきましょう。

住所変更や口座移転時には、忘れずに手続きを行うことが大切です。記事を参考に、配当金に関する疑問を解消し、確実に配当金を受け取りましょう。
» ネット証券の選び方を初心者から上級者まで徹底解説

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA